●こんなお話
高校生がほとばしる性欲に振り回される話。
●感想
ソウルからハドンという田舎町へ引っ越してきた主人公。冒頭、梅の花が咲き誇る道を自転車で走るシーンが美しく、静かで穏やかな始まり方が印象的。
転校先の学校では、隣の席のスインという少年と親しくなる。スインは過去に友人の死を目撃したことがトラウマとなり、強いストレスを感じると眠ってしまう体質になってしまった。そんな繊細な彼が、新任の女性国語教師に恋をし、さらにその教師の家に下宿することになったことで、気持ちはどんどん大きくなっていく。
一方、主人公は地元の女子高生から積極的に迫られる。最初は戸惑いながらも、彼女の部屋で関係を持とうとしたところ、母親に見つかってしまい、結果的にビニールハウスで初体験をすることになる。その後、主人公は彼女に冷たく接するようになり、傷ついた女子高生はリストカットを繰り返した末に、学校の屋上から飛び降りてしまう。
時間が経ち、物語は2年後へ。大学生になった主人公は複数の女性と関係を持ち、性病の治療で病院に通っている。治療先の看護師と一夜を共にするが、彼女にも心を開かないまま距離を取ってしまう。一方、スインは今もなお国語教師を忘れられず、先輩と体を重ねてもその思いは消えない。
やがてスインは国語教師と一夜を共にするが、彼女はすぐに去ってしまう。その出来事が決定打となったのか、スインは滝へと向かう…。一方、主人公はようやく看護師との間に愛情を見出し、気持ちを確かめ合う。
全体を通して、主人公の女性への接し方に対する違和感や、韓国特有の同性愛的にさえ感じられる同姓間の距離感など、日本とは異なる文化的背景を強く感じました。舞台であるハドンという田舎町の空気感も含めて、なかなか興味深い作品でした。
とはいえ、ペ・ドゥナの可愛らしさがとにかく魅力的で、それだけで映画としての満足度はかなり高かったです。彼女を見られただけでも観た甲斐があったと言えました。
☆☆☆
鑑賞日:2022/01/31 DVD
監督 | クァク・チギュン |
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脚本 | クァク・チギュン |
出演 | キム・レウォン |
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キム・ジョンヒョン | |
ジン・ヒギョン | |
ペ・ドゥナ | |
ユン・ジヘ |