映画【パシフィック・リム:アップライジング】感想(ネタバレ):昼間のバトルで進化した!新世代ロボアクションが映像美で魅せる続編

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●こんなお話

 巨大ロボットと怪獣が相変わらず戦っている話。 

●感想

 前作では、戦闘シーンが暗い場所ばかりで見づらく感じることが多かったですが、今作では昼間のシーンが多くなって、アクションがずいぶん見やすくなっていたのは良かったです。光の中でロボット同士や怪獣との戦闘が繰り広げられるのは視覚的には爽快でした。

 ただ、そのぶん前作にあった巨大ロボ特有の「重たさ」や「不自由さ」が薄れてしまい、何でもできる万能なロボットに変わってしまった印象です。そのせいで独特だった世界観やアクションの味が薄まり、どこか他のハリウッド大作――例えば『トランスフォーマー』のような――とあまり変わらない、既視感のあるアクションに見えてしまったのが残念でした。

 怪獣との戦いもクライマックスに少しあるだけで、そこまで見せ場として強く印象に残る場面が少なく、100分間の中で戦いに関する高揚感があまり感じられなかったのは正直退屈。

 ストーリーとしては、主人公が若手パイロットたちを鍛える教官役のような立ち位置になっていて、新兵ものとしての要素や、ドローン兵器を巡る陰謀、さらには主人公が家族との記憶を振り返るような人間ドラマも含まれていて、いろんなテーマが盛り込まれています。しかしそのどれもがテンポ早く処理されていくため、深く感情移入する余裕がなく、どれも中途半端に感じてしまいました。

 ドローン兵器と有人ロボットの違いやその政治的・戦略的な意味もあまり説明されず、なぜそんなに急いで世界に配備しようとしているのかも納得できないまま物語が進行していきます。主人公が義理の姉を亡くした悲しみや、ヒロインの家族を失ったトラウマといった感情も描かれますが、あまりにも軽く流されてしまうせいで、逆に感動どころか淡々と進んでしまう印象でした。

 新兵たちもそれぞれ個性があるはずなのに、キャラクターの違いが明確に描かれないままクライマックスに突入。誰がどのように戦っているのかも分かりづらく、最後の戦闘が長く感じてしまいました。中盤に登場する中国企業の社長も、最初は悪役のような雰囲気で登場するのに、途中からまったく性格が変わっていて、同じ人物とは思えないほどキャラがぶれていたのも気になったり。

 そしてせっかくのクライマックスで舞台が日本なのに、未来設定だからか、ただ高層ビルが並んでいるだけの背景になっていて、全然日本らしさが感じられず、むしろ違和感ばかりが残るラストだったのがもったいなかったです。

☆☆☆

鑑賞日: 2018/04/20 チネチッタ川 2019/02/13 Amazonプライム

監督スティーヴン・S・デナイト 
脚本エミリー・カーマイケル 
スティーヴン・S・デナイト 
T・S・ノーリン 
キラ・スナイダー 
製作ギレルモ・デル・トロ 
トーマス・タル 
出演ジョン・ボイエガ 
スコット・イーストウッド 
ジン・ティエン 
ケイリー・スピーニー 
菊地凛子 
新田真剣佑 

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