映画【街の上で】感想(ネタバレ)

OVER THE TOWN
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●こんなお話

 下北の古着屋の店員がいろんな女性と出会って、ほんの少し変わっていく話。

●感想

 恋人に別れ話をされて仕事先でお客さんと出会ったり常連のバーで知り合いと話したり、意外な誘いがあってそこで人間関係が広がっていって人生が転がっていく。という大きな事件事故も起こらないのに、リアルで自然な会話で120分魅力いっぱいで体感時間があっという間の作品でした。

 主人公が恋人から「好きな人ができた。浮気した」ということを言われて別れ話をされて未練タラタラな状況から始まります。古着屋の受付で本を読んでいるとカップルのお客さんが来て、男性が試着している間に女性が何かふさぎ込んでいる。そこで声をかけようとすると…というところから笑えるポイントで絶妙な間でシャッと試着室の音が響くというところが最高です。この冒頭のカップルとのやりとりからニコニコできてそれが最後まで続く感じでした。主人公がスズナリの演劇のポスターを見ながら喫煙をしていると警官に呼び止められて、注意を受けながら警官が姪っ子が好きだけど血縁関係上結婚できないという話をされて戸惑ったり。主人公が古本屋に行くと受付の女性と会話して、その流れで店主と付き合っているのかと振ると店番の女性は飛び出してしまう。帰宅後、留守電に反省の弁を述べる。主人公は行きつけのバーに行って、マスターと常連と会話。常連さんは役者として役作りとして太ろうとしているらしいとかマスターに恋人と別れた話をしたり。

 そんな中、主人公の働いてたところに大学の映画作りに出演して欲しいと監督から頼まれる。本を読んでいるシーンだけだと聞かされるけど、古本屋の女性に頼んで練習に付き合ってもらったり。撮影現場の待機部屋で主人公の元カレがファンだという朝ドラに出ている俳優さんと知り合ってテンションが上がったりして、いざ撮影するとガチガチでその場でスタッフが代役になり、そのままそっちが採用されちゃう。撮影後の飲み会でスタッフの女の子と仲良くなり、その子の家でお茶して今まで付き合った人の話をしたりして。

 ここの長回しでの2人の会話の絶妙のリアリティなども素晴らしかったです。それにその子の部屋が撮影での支度部屋だったことが判明するというのとかも伏線としてちょっと驚ける設定でよかったです。

 その子の2人目の彼氏は十両の力士だったこと。3人目とは別れ話をしていて今も合鍵を持っているらしいことなど。そのまま泊まって朝になると噂の3人目の彼氏がやってきて、主人公のことを見てそのまま出てってしまう。帰ろうと道を歩いているとマスターと一緒にいる元カノがいて、主人公とスタッフの女性の4人がそれぞれの気持ちの矢印がそれぞれに向かって事態がややこしくなるという爆笑シーンとなっていました。

 主人公の元カノが自転車でその場を去り、序盤に主人公に職質した警官がまた止めてきて同じ姪っ子が好きな話をする。その話を聞いて元カノは主人公の家を訪ねる。元カノは朝ドラ出演の俳優を連れてきてという流れも笑えて最高でした。

 映画の完成試写があって、それを見た古本屋の女性が主人公をカットしたのはなぜかと監督に問い詰めたり。主人公が彼女と冒頭に出てきたケーキを食べられるかと話したりして。

 さりげない会話や登場人物たちの繋がりが後半に上手いこと絡み合っていって、それが面白さ笑いに繋がっていくという伏線の使い方も上手くてエンタメ映画として素晴らしかったです。

☆☆☆☆

鑑賞日:2021/12/09 NETFLIX

監督今泉力哉 
脚本今泉力哉 
大橋裕之
出演若葉竜也 
穂志もえか 
古川琴音 
萩原みのり 
中田青渚 
村上由規乃 
遠藤雄斗 
上のしおり 
カレン 
左近洋一郎 
小竹原晋 
廣瀬祐樹 
芹澤興人 
春原愛良 
未羽 
タカハシシンノスケ 
倉悠貴 
中尾有伽 
五頭岳夫 
岡田和也 
成田凌 
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