●こんなお話
若松プロで映画製作をしていた人たちの話。
●感想
「女でもピンク映画の助監督やれますか?」というセリフから始まるオープニングクレジットがとにかくかっこよくて、冒頭からバッチリ心を掴まれるスタートでした。この瞬間だけで「これは傑作になるぞ」と予感させてくれる導入が非常によかったです。
舞台は若松プロダクション。そこに集まった個性豊かな映画人たちが、低予算ながらもピンク映画を作っていく姿が描かれていく。映画制作の舞台裏を正面から描いた物語は、映画ファンにとってはたまらない内容で、助監督として実力を発揮する人が監督デビューで苦戦するなど、現実の厳しさも描かれていて見応えがありました。
ただの青春映画や映画制作ドラマではなく、当時の時代の空気や若松プロの熱気が、主人公の目を通してしっかりと伝わってきました。お金がない中でも映画を作るという情熱や、限られた条件の中で創意工夫を凝らして撮影に挑む様子がリアルで、まさに”映画を愛する人たちの物語”になっていたと思います。
当時のことは知らない世代でも、「こんな時代があったんだな」と思わせるノスタルジーが心地よく、さらに現在も現役で活躍している映画人たちが劇中に登場するのも嬉しいポイントでした。過去と今が交差するような感覚を持たせてくれる一本で、映画という文化そのものに対するリスペクトが随所に感じられます。
ノスタルジーと熱気、そして映画作りの喜びと葛藤が凝縮された作品でした。
☆☆☆☆
鑑賞日: 2019/04/08 DVD
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監督 | 白石和彌 |
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脚本 | 井上淳一 |
出演 | 門脇麦 |
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