映画【日本の黒い夏 冤罪】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 謎の毒ガス散布事件で第一通報者が参考人として警察に召致されて、マスコミと警察は第一通報者を犯人扱いして社会的に大ダメージを与えていく様子をこれでもかと描く話。

●感想

 学生さんが何故マスコミは何の情報の確認もせずに犯人扱いのニュースを垂れ流してしまったのかというインタビューしていって回想形式で描かれます。自分がもしこんな風になったと考えると恐ろしいです。サリンで体調を崩していて2時間だけ取り調べという約束なのに、それを無視しての何時間も拘束して自供を強制する警察。
 そして何といってもクライマックスのカルト教団のサリン散布シークエンスの恐ろしさ。いつも通りの真夏の夜。当たり前にある日常を過ごしている人たちにゆっくりと迫る毒ガス。鈴虫などが鳴いてるのに一瞬で静かになる恐怖。死がゆっくりと迫ってきて、突然けいれんを起こしていく人たち。これほど怖い映像はちょっと衝撃で実際にあったことだと思うと見ていられないです。

 ただ、話としては主人公が誰なのかがわかりにくく。学生さんなのか事件の顛末を語る記者さんなのか第一通報者なのか警察なのか。台詞も説教くさいしで、ちょっとつらいですが。
 実際に遭った事件と警察の捜査の問題、マスコミの報道の問題を描いた力のある映画だと思いました。

☆☆☆

鑑賞日:2013/07/10 Hulu

監督熊井啓 
脚本協力池田太郎 
脚色熊井啓 
原作平石耕一 
出演中井貴一 
寺尾聰 
細川直美 
遠野凪子 
北村有起哉 
加藤隆之 
石橋蓮司 
北村和夫 
藤村俊二 
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