映画【マイウェイ 12,000キロの真実】感想(ネタバレ):激しい戦闘と深い人間ドラマ!マラソンを通して描く歴史的大作

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映画【マイウェイ 12,000キロの真実】感想(ネタバレ):激しい戦闘と深い人間ドラマ!マラソンを通して描く歴史的大作

●こんなお話

 第二次大戦で日本軍将兵がソ連やドイツ軍の捕虜となって世界各地で戦わされて頑張る話。

●感想

 オリンピックのマラソンで朝鮮人の選手が圧倒的な走りを見せるシーンから始まります。物語は時間を遡り、子ども時代の日本人と朝鮮人の主人公2人の成長過程を描いています。日本人の主人公は軍人の孫であり、朝鮮人の子どもたちを見下す場面もありますが、成長すると2人はマラソンのライバルとなります。

 物語は朝鮮側のテロにより日本人主人公の祖父が殺され、憎しみの感情が深まる展開へ。マラソン選考会では日本人主人公を勝たせるために韓国人主人公が優勝を逃すことになり、これに対して朝鮮人側が怒りを爆発させます。暴動を起こした彼らはノモンハンの戦いに動員され、日本人主人公が上官として現場に赴きます。

 激しい戦闘の中、韓国人主人公たちは戦場から逃げ出しますが、ソ連軍の奇襲に遭遇。韓国人主人公は日本軍にそれを知らせようとしますが、そこで知り合った中国人スナイパーとのエピソードも描かれます。ソ連の収容所での強制労働では、朝鮮人がリーダーとなり日本人を虐げるという立場逆転もあり、主人公同士の対立が深まります。

 しかし、ドイツの参戦により二人は兵士としてドイツ戦線に投入され、さらに激しい戦闘が繰り広げられます。激戦のなかで二人は生き延びますが、離れ離れとなり、日本人主人公はドイツ軍として働く一方、韓国人主人公はマラソンを続けていました。最終的に連合軍の上陸作戦が始まり、捕らえられた日本人主人公は韓国人としてオリンピックに出場する姿で物語は幕を閉じます。

 映像は1928年の韓国京城の美しい景色から始まり、ノモンハンやソ連、フランスの戦場の激しい戦闘シーンまで圧倒的なスケール感を誇ります。特に戦車や爆破シーンの迫力は目を見張るものがあり、どのように撮影されたのか知りたくなるほどでした。

 物語は序盤、日本人の悪役ぶりが典型的に描かれますが、やがて立場が逆転し、環境によって人間の姿勢が変わることを深く表現しています。極寒の地や異国の軍服に身を包みながら戦う主人公たちの葛藤も見どころです。

 クライマックスのノルマンディー上陸作戦のシーンも圧巻で、時間経過と共に変わっていく主人公の表情や言葉遣いが印象的でした。ただし、中国人スナイパーのエピソードはやや唐突で、ストーリーの流れから浮いてしまった感も否めませんでした。

 全体としては2時間30分近い上映時間ながら飽きることなく見られ、感動的なマラソンシーンや主人公たちの演技に心を動かされる作品でした。

☆☆☆

鑑賞日:2012/01/10 Blu-ray 2024/11/27 U-NEXT

監督カン・ジェギュ 
脚本カン・ジェギュ 
キム・ビョンイン 
ナ・ヒョン 
出演オダギリジョー 
チャン・ドンゴン 
ファン・ビンビン 
キム・イングォン 
夏八木勲 
鶴見辰吾 
山本太郎 
佐野史郎 
浜田学 
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