ドラマ【マーベル/ジェシカ・ジョーンズ シーズン1】感想(ネタバレ):キルグレイブの異常性が光るマーベル随一の心理スリラー

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●こんなお話

 常人より力持ちの探偵が喋ったことを言いなりになってしまう男と戦う話。

●感想

 エイリアン探偵事務所をひとりで営む主人公のもとに「娘を探してほしい」という依頼が舞い込む。調査の末に両親と娘は再会するが、再会したその瞬間、娘が両親を射殺してしまうという衝撃の幕開け。娘本人は記憶が曖昧で、自分の意志ではなく誰かに操られていたらしい。

 主人公もかつて“キルグレイブ”という謎の男に操られていた過去があり、その記憶がよみがえる。今でもキルグレイブは自分を狙っていると確信し、不気味に撮影された盗撮写真が手がかりとなる。その犯人は、隣に住む薬物中毒の青年だった。

 キルグレイブを捕らえるために、主人公は麻酔を手に入れようと奔走。さらに、かつて軍人だった制服警官がキルグレイブの命令で刺客として襲ってくるが、自分の行動を恥じて仲間に加わる。彼は軍の仲間から危険な薬を奪い、飲んだことでアドレナリン全開の危険人物に変化していく。

 キルグレイブは主人公の過去を利用するため、彼女の生家を買い取り、子ども時代の家を再現して彼女を誘い出す。主人公は、彼を倒すよりも能力を善のために使おうかと迷うが、計画は乱入してきた元軍人のせいで崩れてしまう。

 そんな中、鉄の肌を持つヒーロー・ルーク・ケイジと関係を持ち、恋人のような存在になるが、実は主人公が過去にキルグレイブの命令でルークの妻を殺していたという事実が明らかに。

 一度は麻酔でキルグレイブを捕まえ、彼を作った科学者の両親に会わせることで彼の“命令能力”を記録しようとするが、隔離部屋の電撃装置が壊れて逃走を許す。だが、このとき主人公がもはや命令に従わないことが判明する。キルグレイブは父に命じて自らの能力をパワーアップさせる薬を作らせる。

 主人公はルークと共闘しようとするが、今度はルークがキルグレイブに操られ、ふたりは激突。主人公はショットガンでルークの頭を撃ち抜いて気絶させるという壮絶な展開に。そして、ついにパワーアップしたキルグレイブと直接対決。だが、どんな命令も効かなくなっていた主人公は、彼の首を折って完全に決着をつけておしまい。

 この作品は、いわゆる“スーパーヒーローもの”というよりは、ヒーローになるまでの苦悩や成長を描いた物語で、主人公は怪力こそあるが無敵ではないというリアリティが魅力。前半は探偵として仕事をこなしていく中で、アベンジャーズの戦いによって家族を失った依頼人など、他のマーベル作品とのつながりがさりげなく描かれていて、世界観に厚みがあります。

 物語が特に面白くなるのは、カタキ役のキルグレイブが登場してから。思い通りに人を操るという恐ろしい能力に加え、異常な執着心を持ち、ストーカーとして動き回る。恐怖と魅力を同時に持つキャラクターで、主人公以上に印象を残す存在でした。

 DJの親友やルーク・ケイジ、元ヤク中の隣人が少しずつ主人公の協力者となっていく過程、そして操られていた警官がキルグレイブ打倒に突き進んでいくドラマ展開も見応えがありました。 

 ただし、ラストの決着がややあっけなく、もっと早くできたのでは?と思うところもありましたが、それでも全体としては満足度の高いシーズン。今後のマーベルドラマへの期待が高まる作品でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2017/02/18 NETFLIX 2024/02/17 Disney+

製作総指揮ジェフ・ローブ
メリッサ・ローゼンバーグ
出演クリステン・リッター
デヴィッド・テナント
マイク・コルター
レイチェル・テイラー
キャリー=アン・モス
エカ・ダーヴィル
エリン・モリアーティ

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