映画【大魔神逆襲】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　悪いお侍さんたちに父親たちが強制労働させられてるので助けようとする子供たちと暴れる大魔神の話。

●感想

　シリーズ作品らしく毎回、自由と選択がない時代に生きる人の辛さをひたすら描いていて、今作では強制労働を強いられる木こりたちが何とか逃げ出そうとするけれど。射殺されそうになったり、ぐつぐつ煮えたぎったところに突き落とされたり理不尽な世界がじっくりと描かれていきます。

　4人の少年が家族を救うためにみんなが恐れる魔神の山と呼ばれる禁断の場所へ入っていく。細い木がかかっているところを渡ろうとしたり、激流を下っていたり、いろんなアドベンチャーが見られて楽しいです。追いかけてくる侍たちを蹴散らしたりします。ところが川に落ちて行方不明になったり雪が降ってきて低体温症になって動けなくなってそのまま眠ってしまう子供がいたり。子どもの冒険ものとして楽しく見ることができました。

　前2作では女性の涙で大魔神が怒りのフェイスに変心しますが、今作では子どもの願いに答えてくれます。そして大魔神が暴れるクライマックス。特撮がさすがの迫力で大砲や鉄砲をものともせずに人間を捕まえたりする映像や崩れる屋根瓦などの撮影方法を知りたくなる映像でした。

　少年の顔を見てこっくりと頷いたり、魔神の化身だかの大鷹が悪い侍に襲いかかったり、刀を抜いて悪代官を突き刺したりと過去シリーズとは違う面を見せる工夫なんかも感じました。

　とはいえやっぱり大魔神が暴れるラスト10分くらいまでは、子どもたちの冒険と父親たちが虐待されるのを交互に見せるお話は全体的にまったりとしたペースに感じてしまう作品でした。

☆☆☆

鑑賞日:2022/01/11　BS日テレ