映画【チィファの手紙】感想(ネタバレ)

LAST LETTER
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●こんなお話

 姉の死をきっかけに憧れの先輩や姉の子ども、自分の子ども、自分自身が因縁に決着をつける話。

●感想

 華やかな日本版に比べて、ちゃんと中国の都会と田舎の対比して生活感いっぱいのリアリティある世界がよかったです。

 姉の死を伝えようと同窓会に出席して餡と勘違いされてそのまま姉とうそをついたり、姉の代わりとして文通を始めたり、娘も母親のふりをして手紙を書いたりと岩井俊二作品らしいありえないぶっ飛んだ設定を綺麗な映像や音楽の雰囲気で気にならないようになっているのがさすがです。

 日本版では姉の子どもは1人だったのが中国版では姉弟になっていて、母を亡くした弟が傷つくという描写があって、夜道の階段を登る長回しというのが印象的なシーンがありました。

 亡くなった女性を想って小説を書いた作家がめぐる旅と憧れの先輩と出会った妹、また母を失った子供たち。それぞれの傷と再生がゆったりとしたテンポで描かれて、役者さんたちも見事にはまっていて、それでいて中国の富裕層の生活や田舎の生活が混ざり合って不思議な時間を感じることができました。そして1980年代の学校が少し舞台になるというのも面白かったです。

 中国映画だけどしっかり岩井作品な印象が残る映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2020/09/29 川崎チネチッタ

監督岩井俊二 
脚本岩井俊二 
原作岩井俊二 
プロデュース岩井俊二 
ピーター・チャン 
出演ジョウ・シュン 
チン・ハオ 
ドゥー・ジアン 
チャン・ツィフォン 
ダン・アンシー 
タン・ジュオ 
フー・ゴー 
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