映画【首】感想(ネタバレ)

kubi
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●こんなお話

 織田信長に振り回される家臣たちが忠誠を誓ったり裏切ろうとしたりする話。

●感想

 荒木村重が織田信長に謀反を起こして毛利の援軍を頼みにするけど援軍が来ずに村重は消えてしまう。荒木一族郎党皆殺しにされる。消えた村重の捜索を家臣たちに命じる信長。手柄を立てたものに跡目をやると宣言。

 秀吉は弟や黒田官兵衛と千利休を通じて忍者を使って村重の捜索をさせて捕らえる。そのまま明智光秀に村重を渡して光秀は村重をかくまう。秀吉に憧れる百姓が忍者と行動を共にしたり。

 信長は家康が裏で動いていると考えて光秀に家康暗殺を命じて合戦中に殺害しようとしたり毒殺しようとしたりするけど、秀吉のアドバイスとかもあって難を逃れる。本能寺で家康暗殺を命じるけど、光秀は裏切って信長を暗殺。

 秀吉はさっさと安国寺恵瓊を仲介に毛利家と和解して大返し。数で勝って光秀軍を破って、光秀は自害。首を奪おうとみんなが群がって、光秀の首実験をするけど「百姓上がりの俺は天下が欲しくて首はいらない」みたいなことを言っておしまい。

 荒木村重の謀反から始まってハイテンションな信長の無茶苦茶な言動行動、よく今まで成り立ってきたなというハイテンションで映画が始まる前の人生を知りたかったです。延々と叫んでいるので見ていて疲れる信長像でした。本能寺の変の死に方が新鮮で笑っちゃう死に方なのはよかったです。

 生首がどんどん出てくるのも好き嫌いはあると思いますが、好みで現代の恋愛感とは違う戦国時代の愛憎みたいなのも見られるのも新鮮でした。戦後民主主義教育の日本人とは価値観が全く違う日本人という文化が垣間見れます。そこに荒木村重の謀反、長篠の戦い、本能寺の変、秀吉の大返し、家康の堺からの脱出、山崎の戦いなど有名エピソードを新しい視点で見られるのも興味深かったです。

 ただ130分はちょっと長くて、群像劇としていろんな登場人物の思惑が繰り広げられますが。テンポが悪い感じで、有名武将の愛憎や駆け引きと現場の忍者たちの実行部隊の動きに合戦シーンがありますが。誰が何のために動いているのかとか飲み込みにくく、秀吉が最初から天下を取るという行動をしていて、信長も終始家臣をいじめているだけで何をしたいのだろうとか光秀は村重との恋愛関係があって、信長との三角関係があって、忍者たちがあっちへ行ったりこっちへいったり。家康が暗殺されそうだから影武者をいっぱい使って難を逃れてなどなど。今何をしているんだろう? というボーっとする時間が多く。衆道という文化もただのギャグというか表面上だけの描かれ方にしか見えなかったです。

 かつ合戦シーンもいくつかありますが、あまり迫力とか泥臭さみたいなのは感じられず血沸き肉躍るアクションとかは全くないのが残念でした。人の死もあっさり風味で何でこのタイミングで死ぬんだろう? とポカンとする退場が多かったです。

 忍者たちがあっちついたりこっちへついたり、秀吉と家臣の3人組の行動や動機、裏をかいて天下を取るみたいなのとかも正直してやったった感みたいなものなく。

 ちょっと戦国絵巻とかでもなく、スケールがありそうでスケールがないように見えて眠たい1作でした。

☆☆

鑑賞日:2023/11/25 イオンシネマ座間

監督北野武 
脚本北野武 
原作北野武
出演ビートたけし 
西島秀俊 
加瀬亮 
中村獅童 
木村祐一 
遠藤憲一 
勝村政信 
寺島進 
桐谷健太 
浅野忠信 
大森南朋 
六平直政 
大竹まこと 
津田寛治 
荒川良々 
寛一郎 
副島淳 
小林薫 
岸部一徳 
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