映画【蟹工船】感想(ネタバレ)

Kanikôsen
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●こんなお話

 カムチャッカ沖で蟹を獲って缶詰に加工する船の劣悪な環境の労働者を描く話。

●感想

 前半は蟹工船で働く労働者たちが描かれていき、そこでの貧乏自慢のような回想があったり。主人公の松田龍平さんの先導で来世を目指して集団首つりをするという恐ろしいシーンがありますが、この映画では船に揺られて右へ左へブーラブラしてコミカルになっているという。
 しかも富豪の家に生まれるという来世を想像して男たちでお庭でバレーボールしたりという。この前半で笑えるか笑えないかが勝負だと思いました。

 そして主人公は海へと漂流してロシア船に救助されてそこで踊るロシア人たち。このダンスシーンもSABU監督作品らしいシーンで、ここで労働者の権利に目覚めるという重要なシーンだと思いますが、何だか軽い感じになっていて残念でした。
 それでいて中国人通訳を手塚とおるさんが演じていて「ワタシ、○○アルヨー」という一体いつの時代の中国人像なんだろうと戸惑うという。

 蟹工船に戻った主人公は仲間と一致団結して富裕層、資本家たちに挑んでいくという。仲間たちに向かって演説するシーンなんかは盛り上がりました。
 けど映像は全部、船の中で世界観がわかりにくいし。労働者側は描かれますが、支配層はあまり描かれず。それでいて日本帝国のためお国のためという台詞ばかり気になってしまって集中できなかったです。いったいいつの時代なんだろう? と。それでいて現代語だし。

 真っ赤に茹で上がった蟹が美味しそうだなというのが印象的な映画でした。

☆☆

鑑賞日:2013/11/26 DVD

監督SABU 
脚本SABU 
原作小林多喜二 
出演松田龍平 
西島秀俊 
高良健吾 
新井浩文 
柄本時生 
木下隆行TKO
木本武宏TKO
三浦誠己 
竹財輝之助 
利重剛 
清水優 
滝藤賢一 
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