●こんなお話
神秘の島で大冒険するロック様ご一行の話。
●感想
タイトルにあまり意味はなくなってしまったものの、前作が3DCGの見せ場を前面に押し出した作りだったのに対して、今作はファミリー向けの冒険活劇としてぐっと楽しさの幅が広がったように感じてしまいました。義理の息子が探検に行きたいという一言から始まり、義理の父親であるロック様が息子と関係を築こうとパラオ経由で伝説の島を目指す流れは、スムーズで迷いがない展開。
パラオから目的地へと向かう途中、乗っていたヘリコプターが嵐に巻き込まれて墜落し、そのまま神秘の島に漂着する。冒頭からテンポが非常に早く、物語が始まってから観客を引き込むまでの間が短いため、自然と映像の楽しさに巻き込まれていけました。突っ込みどころがないわけではないですが、映画の持つ陽気なエネルギーがそれを飲み込んでいくので、細かいところを気にせず楽しむことができました。
この島では、生態系のルールが反転しているという設定が面白くて。巨大な生き物は小さく、小さな生き物は巨大になっている。たとえば手のひらに乗るサイズのゾウが登場したり、逆に巨大化したハチに乗って空を飛び、空中で鳥とチェイスを繰り広げる場面など、ワクワクする映像体験が続いていく。リアリティというより、絵本的な発想を映像で楽しむつくりになっている印象を受けました。
また、ロック様演じる主人公と義理の息子の関係性も、冒険を通して少しずつ信頼が芽生えていく描写が丁寧に組み込まれていて、物語の芯を支えていたと思います。家族の成長物語としての側面もあり、ただ騒がしいだけの冒険映画にとどまらないバランス感覚もあったと思います。息子が島で出会った女性と恋に落ちるという展開も、定番ながら気持ちよく乗れる筋運びだと思います。
そして何よりも、やっぱりロック様の存在感。冒険のさなかで息子に「女性の心をつかむ方法」を伝授する場面では、自らの胸筋をピクピク動かして笑いを誘うなど、茶目っ気たっぷりのシーンが印象的でした。こうしたユーモアの差し込み方も、映画全体の空気を柔らかくしてくれていて、観ていて心地よかったです。
全体として、真剣に深読みするようなタイプの作品ではなく、まさに冒険テーマパークに遊びに来たかのような軽やかさと楽しさに満ちた一本。大人も子どもも肩の力を抜いて楽しめる、そんなエンターテインメントでした。
☆☆☆
鑑賞日: 2017/07/01 NETFLIX
監督 | ブラッド・ペイトン |
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脚本 | ブライアン・ガン |
マーク・ガン | |
原案 | リチャード・アウッテン |
ブライアン・ガン | |
マーク・ガン |
出演 | ジョシュ・ハッチャーソン |
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ドウェイン・ジョンソン | |
ルイス・ガスマン | |
ヴァネッサ・ハジェンズ | |
マイケル・ケイン | |
クリスティン・デイヴィス | |
マイケル・ビーズリー |
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