映画【JAWS/ジョーズ】感想(ネタバレ):巨大ザメと戦う警察署長たちの死闘

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●こんなお話

 人食いザメと人間の戦いの話。

詳細ネタバレあらすじ

 夏になると多くの観光客が訪れるアメリカ東海岸の島、アミティ島。ある夜、海辺で開かれていたパーティーから若い女性クリッシーが一人で抜け出し、砂浜で酔って眠っている男性を残して海へ入る。クリッシーが沖へ泳いでいくと、突然、海中から何かに襲われる。身体を激しく引っ張られ、水面を何度も引きずり回されながらブイにつかまろうとするが、再び海中へ引きずり込まれる。クリッシーは悲鳴を上げるが、そのまま海中へ消えていく。

 翌朝、行方不明になったクリッシーを探していたアミティ島の警察署長マーティン・ブロディと副署長ヘンドリックスは、海岸に打ち上げられたクリッシーの遺体の一部を発見する。検死の結果、クリッシーは船の事故ではなく、大型のサメに襲われて死亡したことが判明する。

 ブロディは島民や観光客の安全を考え、海水浴場を閉鎖しようとする。しかし、アミティ島は夏の観光客によって経済が成り立っており、ラリー・ヴォーン市長は海岸を閉鎖すれば観光客が来なくなることを恐れる。市長はサメの存在が公になれば島の観光業に大きな影響が出ると考え、ブロディに海岸を閉鎖しないよう圧力をかける。さらに、クリッシーの死因についてもサメではなくボートによる事故として処理する方向へ話を進めようとする。

 そして数日後、独立記念日の観光シーズンを迎え、アミティ島の海岸には大勢の観光客が集まる。ブロディは砂浜から海水浴客を監視していたが、その目の前で少年アレックス・キントナーが黄色い浮き輪に乗って海へ入る。

 その直後、海中から巨大なサメが現れ、アレックスを襲う。少年は水中へ引きずり込まれ、海面には血が広がる。母親が息子の名前を叫びながら海を探すが、アレックスの姿は戻ってこない。やがて血に染まった黄色い浮き輪が海岸へ流れ着く。

 大勢の観光客が襲撃を目撃したことで、今度こそサメの存在を隠すことはできなくなる。ブロディは海岸を閉鎖し、アレックスの母親は息子を襲ったサメを捕まえた者に3000ドルの賞金を出すと発表する。その結果、アミティ島には賞金を目当てにした漁師やハンターが集まり、海ではサメを探す船が増えていく。

 町で開かれたサメ捕獲をめぐる集会には、地元の漁師クイントも姿を現す。クイントはサメを捕まえるなら自分に任せろと主張し、1万ドルで巨大ザメを仕留めると申し出る。一方、警察には海洋研究所から海洋生物学者マット・フーパーが派遣される。

 フーパーはクリッシーの遺体を詳しく調べ、彼女が大型のサメに襲われたことを確認する。ところが、地元の漁師たちが大型のイタチザメを捕獲すると、町ではこれで人を襲ったサメを捕まえたという空気が広がる。市長も海岸を再開できると考えるが、フーパーは捕獲されたサメの大きさや傷跡を調べ、クリッシーを襲ったサメとは一致しないと判断する。さらに胃の内容物を調べても人間の遺体は見つからず、捕獲されたイタチザメは犯人ではないことが分かる。

 フーパーはブロディとともに海上へ出て、サメの調査を続ける。ソナーを使って海中を調べていると、海底に沈んでいる大きな物体を発見する。それは地元の漁師ベン・ガードナーの船だった。

 フーパーは潜水装備を身につけて沈没した船へ向かい、船体を調べる。船には大きな穴が開いており、さらに船体には巨大なサメの歯が刺さっていた。フーパーが船内を調べていると、突然ベン・ガードナーの遺体が現れる。驚いたフーパーは歯を落とし、急いで海面へ戻る。

 これによって、アミティ島周辺にいるのは通常のサメとは比較にならないほど巨大なホホジロザメだと分かる。

 ブロディ、フーパー、クイントの3人は、クイントの船オルカ号に乗り込み、巨大ザメの捕獲へ向かう。クイントはサメを追跡するため、ロープで複数の樽をサメにつなぐ。サメが泳ぐと樽が海面を引きずられ、それを利用してサメの位置を追跡する。

 巨大ザメは樽を海中へ引きずり込み、オルカ号を激しく引っ張る。クイントは船を操縦しながらサメを追い続けるが、サメの力は強く、船は大きく揺さぶられる。ブロディは間近で巨大ザメを目撃し、そのあまりの大きさに圧倒される。

 3人は何度もサメを追い続けるが、クイントはサメを仕留めることに執着し、船のエンジンを酷使する。やがてオルカ号のエンジンが故障し、船は海上で動けなくなる。

 そこでフーパーは、サメよけのケージに入って海中へ降り、毒薬を仕込んだ槍でサメを仕留める作戦を提案する。クイントとブロディがケージを海中へ下ろし、フーパーは槍を手にして巨大ザメを待つ。

 やがて巨大ザメが姿を現し、フーパーのいるケージへ突進する。フーパーは槍を構えるが、サメはケージへ何度も体当たりし、鉄格子に噛みついて激しく揺さぶる。フーパーは攻撃するタイミングを失い、毒薬を仕込んだ槍を海底へ落としてしまう。

 サメはケージを破壊し、フーパーは海底へ逃げて岩場に身を隠す。クイントとブロディからはフーパーがサメに襲われたように見えるため、二人はフーパーが死亡したと思う。

 ところが、サメはそこで終わらない。海面へ浮上した巨大ザメはオルカ号へ体当たりし、船体を激しく揺さぶる。さらに船尾へ何度も突進することで、船は徐々に壊れ始める。

 船が大きく傾き、クイントとブロディは甲板にしがみつく。やがてクイントの身体が船上を滑り落ち、ブロディが助けようとするが支えきれない。クイントはそのまま船上を滑り、海面に落ちる。そして待ち構えていた巨大ザメに襲われ、身体を噛みつかれたまま海中へ引きずり込まれる。

 クイントを失ったブロディは、沈みかけるオルカ号の上で一人になる。船内を探していると、フーパーが使っていた圧縮空気のタンクを見つける。ブロディはそれを巨大ザメへの攻撃に利用することを思いつく。

 再びサメがオルカ号へ向かってくると、ブロディは圧縮空気のタンクをサメの口の中へ押し込む。サメはタンクをくわえたまま海へ戻っていく。

 ブロディは沈みかけた船の上でクイントのライフルを手にする。そしてマストへ登り、再び姿を現した巨大ザメへ向けて銃を撃つ。しかし、何発撃ってもサメには命中しない。

 サメがさらに近づいたところで、ブロディは最後の一発を放つ。その弾丸がサメの口に入っていた圧縮空気タンクに命中し、タンクが爆発する。巨大ザメの頭部は爆発によって吹き飛び、海面には血と肉片が広がる。

 巨大ザメが死んだことを確認したブロディは、海中から浮かび上がってきたフーパーを発見する。フーパーはケージが破壊されたあと海底に逃げ込み、岩陰に隠れて生き延びていた。

 ブロディはフーパーにクイントが死亡したことを伝え、二人は沈没したオルカ号を離れ、海面に残されていた樽を浮き輪代わりにして海岸へ向かっておしまい

●感想

 いきなりクリッシーが海中から襲われる場面から始まるので、最初から「この海には何かいる」と思わせてくれるのが面白いです。しかも、サメの姿をすぐに見せるのではなく、海中で何かに引っ張られるクリッシーの身体だけを見せることで、見えない相手への恐怖を作っています。

 そして、サメが来たのではないかと考えた主人公の警察署長ブロディが、海水浴場を遊泳禁止にしようとするところから物語が動き始めます。ところが、ここでブロディと対立するのが、単純な悪人ではなく「観光地としての経済」です。

 アミティ島は観光客が来て初めて成り立つ場所なので、サメがいるからといって簡単に海岸を閉鎖するわけにはいきません。市長としても町の経済を守らなければならず、ブロディが安全を優先しようとするほど、市長側から圧力を受けることになります。

 この「人間の安全」と「観光による利益」の対立が、サメが姿を現す前からしっかり描かれているのがよかったです。単にサメが人間を襲うだけの映画ではなく、サメの存在を知りながら海を開けようとする人間側の事情まで物語に組み込まれています。

 そうこうしているうちに、被害者が多発して、事件が一つ解決する前に次の事件が起きるので、どんどんサメの存在が大きくなっていきます。このあたりの展開がとても面白いです。

 そして何といっても魅力的なのが登場人物です。警察署長のブロディ、海洋生物学者のフーパー、サメハンターのクイント。この3人、絶対に普段なら意見が合わなそうな組み合わせなのに、巨大ザメを退治するために一緒に海へ出るのだから、そりゃ揉めます。

 特にクイントが最高です。サメを捕まえることに異常なほど執着していて、船のエンジンが壊れても追跡を続けるほどの人物です。かなりの変人ですが、その変人ぶりがキャラクターとしてものすごく魅力的です。個人的には「絶対に友達にはなりたくないけど、映画の登場人物としては最高」というタイプでした。

 3人がオルカ号で海へ出てからは、いよいよ本格的なサメ退治が始まります。ここで面白いのが、サメを捕まえられそうになったと思ったら状況が悪化し、もう駄目かと思ったところで再びチャンスが訪れるという流れが何度も繰り返されるところです。

 しかも、それまで姿をほとんど見せなかった巨大ザメが、いよいよ姿を現して船をボコボコにしていく。この絶望感がたまりません。船を引っ張る樽、壊れていくオルカ号、海上で追い詰められていく3人という状況が重なり、サメが画面に登場するだけで一気に緊張感が高まります。

 それでも、ずっと絶望だけが続くわけではありません。サメを追い詰められそうになったり、フーパーが攻撃を仕掛けたり、今度こそ退治できるのではないかと思わせてくれる場面が入ります。そこからまたサメに反撃されるので、「グッドニュースが来たと思ったらバッドニュースが来る」という展開が続き、最後まで飽きません。

 クイントがサメに襲われる場面も強烈です。あれだけサメを追いかけ回していた男が、最後には自分がサメに食われる側になる。しかも、船が傾いて身体が滑り落ち、そのまま巨大ザメに捕食されるので、クイントというキャラクターの最期としても印象に残ります。

 ブロディは最初、海を恐れていた警察署長だったのが、最後には沈みかけた船の上から巨大ザメに向かってライフルを撃ち、圧縮空気のタンクを利用してサメを倒します。

 最初は海を怖がっていた人物が、最後には海の上で巨大ザメと直接戦う。この変化もしっかり物語の中に組み込まれています。

 約2時間の作品ですが、サメの恐怖だけでなく、観光地の経済問題、個性的な3人の掛け合い、海上でのサメとの攻防まで入っていて、エンターテインメントとして非常によくできています。サメ映画の面白さはもちろんですが、「人間が巨大な相手をどうやって倒すのか」という冒険映画としての楽しさもあり、今見ても十分に楽しめる作品でした。

☆☆☆☆☆

鑑賞日:2012/08/31 Blu-ray 2026/08/12 U-NEXT

監督スティーヴン・スピルバーグ 
脚色ピーター・ベンチリー 
カール・ゴットリーブ 
原作ピーター・ベンチリー 
出演ロイ・シャイダー 
ロバート・ショウ 
リチャード・ドレイファス 
ロレイン・ゲイリー 
マーレイ・ハミルトン 
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