映画【ヒメアノ~ル】感想(ネタバレ)

himeanole
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●こんなお話

 貧困層の主人公に彼女が出来て、その女の子をストーキングしているらしい同級生がめっちゃサイコパスになってる話。 

●感想

 2つの映画を見ているかのような前半のさえない男たちが女の子を好きになるというコメディからしだいに狂気の世界を見せつけてくる後半と不思議な構成の映画で興味深く見ることができました。 

 前半の夢も希望もない男たちが女の子を巡ってのやりとりなんかは吉田恵輔監督作品らしいキャラクターで魅せる笑いで面白かったです。バイト先の先輩が好きになったヒロインを巡って主人公が間に挟まれる苦境をコメディとして描いていく。それと同時にヒロインをストーキングしているらしい男がいて、その人物を描くのは不穏な空気が漂っているという2つのストーリーが同時進行で進んで行って、どういう方向で進むのかわからないという興味の持続があって面白かったです。 

 ところが後半になってストーカーの男が犯行を繰り返していくシークエンスからは途端に怖くなくなってしまって残念でした。常識が通用しなくて自分の邪魔になる人物を次々に襲撃していますが、バイオレンスシーンが突出して凄いわけでもないので怖い男として描けていないのが個人的には致命的で、次に何をしでかすのかわからない男が何をしでかすんだろう? というのが個人的には見たかったです。人を殴ったり刺したり怖いシーンは出てくるのに、あまり怖く感じられませんでした。 

 ただの異常者による犯罪映画になってしまっていて、彼らのいじめられてた学生自体なども特にこれといった目新しさもなく退屈な回想でした。 

 そして、その男との対決になってからはキャラクターの面白さで引っ張っていたのが途端にストップしてしまうので、ムロツヨシさんの退場の仕方とかずっこけてしまいました。 

 とはいえ、緊迫感ある展開が続くので飽きずに楽しめる100分間でした。

☆☆☆☆

鑑賞日: 2016/06/08 TOHOシネマズ新宿 2020/12/29 NETFLIX

監督吉田恵輔 
脚本吉田恵輔 
原作古谷実
出演森田剛 
濱田岳 
佐津川愛美 
ムロツヨシ

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