●こんなお話
木下恵介監督が戦意高揚映画に嫌気がさして松竹をやめ、身体の不自由な母親を疎開させるために50キロだかの山道をリヤカーで運ぶという話。
●感想
話の展開は、ひたすら山道を歩いて、日陰で休憩して何を食べたいかなどを話して、また歩いて旅館で一泊してトロッコに乗って疎開先の家に辿り着くというだけで大きな動きがないのに。
日本の景色、緑の山々や深い森や流れる川、朝日や鳥のさえずりなどを見て聞こえてくるだけで癒されるという日本人に生まれてよかったと思える映像と音声でした。
そして作りたい映画を作れず「息子に立派に戦って死んで来いなんて言う母親はいない!」というのを涙ながらに語る主人公は感動的でした。わかりやすいテーマにストレートな演出がよかったです。
母親も息子に映画を作ってもらいたいと願うお互いの気持ち。主人公の映画が見たいという便利屋などの気持ちを受けて、はじまりのみちを歩いた結果、再び映画監督の道へと歩き出す。
映画本編でも結構長いこと挿入される木下監督作品の【陸軍】や戦後の作品の映像集が流れますが、それを見るだけでも感動してしまう不思議。
大きな盛り上がりも出来事もない映画ですが、丁寧だしわかりやすいしストレートに訴えてくる映画で面白かったです。
☆☆☆☆
鑑賞日: 2013/06/02 TOHOシネマズ南大沢
リンク
監督 | 原恵一 |
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脚本 | 原恵一 |
出演 | 加瀬亮 |
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田中裕子 | |
濱田岳 | |
ユースケ・サンタマリア | |
斉木しげる | |
光石研 | |
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