映画【ゴジラvsデストロイア】感想(ネタバレ):メルトダウン寸前のゴジラとデストロイアの最終決戦!

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●こんなお話

 リトルゴジラが現れデストロイアが現れ、真打ゴジラが現れという話。

●感想

 リトルゴジラと共にいたはずのバース島が突如として消失し、ゴジラとリトルゴジラの行方も不明になります。そして香港に突如現れた赤く輝くゴジラによる都市壊滅から始まります。

 ゴジラの異常な光は、体内で進行しているメルトダウンを示しており、このままではゴジラが核爆発を起こし、地球全体に壊滅的な被害を及ぼす恐れがあるという深刻な状況に陥ります。これを受けて世界各国の科学者と防衛関係者が集まる「Gサミット」が招集されます。そのメンバーの一人には、初代ゴジラを倒した“オキシジェン・デストロイヤー”を開発した博士の孫が名を連ねてたり。

 同時に、東京湾の海底トンネルでは、正体不明の謎の生物が出現。特殊部隊が火器を用いてこれを撃退しますが、その後の調査で、この生物こそがオキシジェン・デストロイヤーによって進化した新たな怪獣「デストロイア」であることが判明します。

 本作では、通常の火器では歯が立たないゴジラを相手に、自衛隊が“スーパーX3”という冷凍兵器を装備した機体でゴジラの動きを一時的に封じ込めるなど、自衛隊が大きな活躍を見せた点も見応えがありました。

 Gサミットでは、暴走するゴジラを止めるべく、ゴジラジュニアを囮としてデストロイアを誘い出し、2大怪獣を戦わせるという作戦が立案されます。シリーズおなじみのサイキック能力を持つ双子の姉妹も登場し、彼女たちの力でゴジラジュニアを誘導するという展開になります。

 戦闘では、ゴジラジュニアがデストロイアの攻撃によって重傷を負うという展開もあったり。ゴジラはデストロイアに立ち向かい、激しい死闘の末、ついにデストロイアを撃破。そして、ゴジラはついにメルトダウンの危機を迎え、自衛隊の冷凍兵器によって爆発寸前のエネルギーを抑えながら、ゆっくりと溶けていきます。

 しかし、その命の炎を受け継ぐかのように、重傷を負っていたゴジラジュニアが巨大化し、新たなる“ゴジラ”として目を覚ましておしまい。

 特撮シーンに関しては、まさにシリーズ最高峰といえるほどの迫力で、白い血液が噴き出すゴジラや、メルトダウン寸前の高熱状態を表現した発光、冷凍兵器による凍結など、視覚的に印象深く、美術・演出両面から高い完成度だと思います。

 一方で、物語の中でデストロイアが人間サイズから一気に怪獣サイズにまで巨大化する過程や、そもそもオキシジェン・デストロイヤーからなぜそのような存在が生まれたのかといった説明はやや抽象的で、科学的な説明を担う博士のセリフも少々飲み込みにくい印象を受けました。

 また、序盤で登場する人間サイズのデストロイアと特殊部隊の戦闘シーンは、緊張感が乏しく、逆に興ざめしてしまったのは惜しい部分です。サイキック能力を持つお姉さんたちのリアクションもやや過剰で、本筋と関係が薄く感じられた点は、やや冗長に映ったかもしれません。

 とはいえ、物語のラストで“ゴジラの死”を描きながらも、新たな命が静かに立ち上がるラストカットは、平成ゴジラシリーズの集大成として十分な余韻を残す演出であり、特撮ファンなら一見の価値がある名シーンだと感じました。

☆☆☆

鑑賞日:2012/10/05 DVD 2024/09/24 Amazonプライム・ビデオ

監督大河原孝夫 
特技監督川北紘一 
脚本大森一樹 
出演辰巳琢郎 
石野陽子 
林泰文 
小高恵美 
大沢さやか 
篠田三郎 
河内桃子 
中尾彬 
高嶋政宏 
神山繁 
村田雄浩 
斉藤暁 
平泉成 
藤巻潤 
小野武彦 
上田耕一 
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