●こんなお話
ホワイトウォーカーとの決戦のためにみんなが集まってきたり、決戦後再び内輪もめになりそうになったりする話。
●感想
シーズン7で〈壁〉が崩壊し、夜の王率いる死者の軍勢はいよいよウェスタロスへ侵攻を開始する。ジョン・スノウはデナーリス・ターガリエンと無垢軍団、ドスラク軍、ドラゴンを率いてウィンターフェルへ到着し、サンサやアリア、ブランらスターク家の面々と再会する。しかし北部では南からやって来た女王デナーリスへの警戒心が根強く、サンサは簡単には彼女を信用しない。ティリオンやヴァリスは、人類同士で争っている余裕はないと考え、迫り来る死者の軍勢との決戦に備えて各勢力をまとめようと奔走する。
その頃、サーセイとの決別を決意したジェイミー・ラニスターも単身で北へ到着する。これまでスターク家に多くの悲劇をもたらしてきた男だけに厳しい視線を浴びるものの、ブライエニーが彼の功績を証言したことで戦力として迎え入れられる。さらにシオン・グレイジョイも姉ヤーラを救出した後、自らの過ちを償うためウィンターフェルへ戻り、スターク家とともに最後の戦いへ身を投じる。
そんな中、サムウェル・ターリーとブラン・スタークはジョンへ重大な秘密を打ち明ける。ジョンはネッド・スタークの私生児ではなく、本名はエイゴン・ターガリエンであり、レーガー・ターガリエンとリアナ・スタークの正式な婚姻によって生まれた嫡出子だった。つまり鉄の玉座の正統な継承者であり、デナーリスの甥でもあった。その真実を知ったジョンは動揺し、これまで恋人として接してきたデナーリスとの関係にも距離が生まれていく。
決戦前夜には、生き残った仲間たちが暖炉を囲み、それぞれが最後の夜になるかもしれない時間を静かに過ごす。ジェイミーは長年の夢だったブライエニーを正式な騎士へ叙任し、互いの信頼を確かめ合う。
やがて夜の王率いる死者の軍勢がウィンターフェルへ到達し、人類存亡を懸けた「ウィンターフェルの戦い」が始まる。ドスラク軍は突撃した直後に大半が壊滅し、無垢軍団も城外で必死に防衛線を維持する。ジョラー・モーモントは最後までデナーリスを守り続け、無数のワイトに刺されながら命を落とす。幼い領主リャナ・モーモントも巨人ワイトに踏み潰されながら最後の力でその片目を突き刺し、相討ちとなる。ベリック・ドンダリオンはアリアを救うため犠牲となり、メリサンドルも炎の魔術で味方を援護した後、自ら首飾りを外して静かに人生を終える。
夜の王は蘇ったドラゴン・ヴィセーリオンに乗り、ジョンやデナーリスと壮絶な空中戦を繰り広げる。一方、神の木の前ではブランが囮となり、シオンは最後まで彼を守るため夜の王へ突撃して命を落とす。ブランに夜の王が迫る直後、死角から飛び込んだアリア・スタークがヴァリリア鋼の短剣を夜の王へ突き立てる。夜の王は粉々に砕け散り、ホワイトウォーカーと全ての死者たちも同時に崩壊する。長年ウェスタロスを脅かしてきた最大の脅威が、ついに消滅する。
戦いの後、人々は犠牲者を弔う。ジェイミーとブライエニーは互いの想いを確かめ合うが、サーセイがキングズランディングで孤立していると知ったジェイミーは彼女を見捨てられず南へ戻る。ブライエニーは涙ながらに彼を見送る。
その一方で、ヴァリスはジョンこそ王にふさわしい人物だと考え始め、出生の秘密を各地へ知らせようと動き出す。しかし計画はティリオンによってデナーリスへ知られ、ヴァリスは反逆者としてドラゴンの炎に焼かれて処刑される。デナーリスは味方の中にも自分を支持しない者が増え始めたことを強く意識するようになる。
キングズランディングでは、サーセイがユーロン・グレイジョイ率いる艦隊や黄金兵団、防衛兵器スコーピオンを配置して徹底抗戦の構えを見せる。しかしデナーリスはドロゴンを駆り、艦隊を瞬く間に壊滅させ、防衛兵器も次々と焼き払い、黄金兵団もほとんど抵抗できないまま壊滅する。
ついに城門は突破され、ラニスター軍は武器を捨てて降伏する。鐘が鳴り響き、街は降伏の意思を示す。しかしデナーリスは赤の城を見つめ続けた末、怒りと憎しみに支配され、市街地への攻撃を開始する。親友ミッサンデイを処刑された悲しみ、暴走した彼女は、兵士だけでなく市民にも炎を浴びせ続ける。キングズランディングは一面火の海となり、無数の命が失われる。
アリアは燃え盛る街で市民たちとともに必死に逃げ惑い、崩れ落ちる建物や炎の中で戦争の悲惨さを目の当たりにする。一方、ジェイミーは途中でユーロンとの死闘を制して赤の城へたどり着き、地下でサーセイと再会する。しかし脱出路は崩落した瓦礫で塞がれ、二人は抱き合ったまま崩れ落ちる城の下敷きとなって命を落とす。
同じ頃、ハウンドことサンダー・クレゲインは兄マウンテンとの宿命の決着へ挑む。何度斬っても倒れない怪物となった兄を道連れにするため、炎に包まれた城壁から抱きかかえたまま飛び降り、兄弟は炎の中へ消えていく。
戦いの後、デナーリスは自らを世界の解放者と宣言し、さらに各地を解放していく意志を語る。しかしティリオンはキングズランディングの惨状を見て王の手を辞任し、投獄される。牢の中でティリオンはジョンへ「これ以上犠牲者を増やさないためには、君が止めるしかない」と訴える。
ジョンは苦しみながらも玉座の間でデナーリスと対面する。理想の未来を語る彼女を抱きしめたジョンは、そのまま短剣で胸を刺し、デナーリスは愛する男の腕の中で静かに息を引き取る。
ドロゴンは母の死を知って悲痛な咆哮を上げる。そして怒りをぶつけるように鉄の玉座をドラゴンの炎で溶かし去り、デナーリスの亡骸を抱えて東の空へ飛び去る。誰も座ることのなくなった鉄の玉座は、その象徴ごと歴史から姿を消す。
その後、ウェスタロスの有力者たちによる大評議会が開かれ、ティリオンの提案によってブラン・スタークが六王国の新たな王に選ばれる。王位は世襲ではなく諸侯による選出という新たな制度へ移り変わる。一方、サンサは北部の独立を宣言し、正式に認められたことで「北の女王」として即位する。
ティリオンは再び王の手として復興を担い、ブロンは財務大臣、ブライエニーは王の親衛隊総司令官となり、『白の書』へジェイミーの功績を書き記す。サムは大評議会の一員として新たな時代を支え始める。
ジョンは女王殺害の責任を負い、再び〈ナイツ・ウォッチ〉へ送られる。黒の城へ戻った彼はトアマンドやゴーストと再会し、そのまま自由民たちとともに壁の北側へ歩き出す。
アリアは未知の西の海へ新たな航海へ旅立ち、サンサは北を統治し、ブランは六王国の王として新時代を歩み始める。それぞれが自らの居場所を見つけ、新たな未来へ進む姿を映しながら、八シーズンの壮大な群像劇はおしまい。
ウィンターフェルへジョンとデナーリスが大軍を率いて到着し、長い年月をかけて旅を続けてきた主要キャラクターたちが一堂に会する序盤から胸が熱くなりました。これまで別々の場所で戦い続けてきた人物たちが再会し、それぞれの立場や信念をぶつけ合う様子は、シリーズを積み重ねてきたからこその重みがあります。
ジョン・スノウの出生の秘密が明らかになり、周囲が正統な王として担ぎ上げようとする一方で、本人は最後まで王位を望まない姿勢を貫きます。その事実を知ったデナーリスが少しずつ孤立し、不安や焦りを募らせていく描写も印象的でした。王座を巡る権力争いだけでなく、人間関係の変化が物語全体へ大きく影響していく構成になっています。
全6話の中でも、第3話「ウィンターフェルの戦い」はシリーズ最大級の見せ場でした。前半2話では決戦前夜の静かな時間が丁寧に描かれ、「明日には命がないかもしれない」という覚悟を抱えながら仲間たちと過ごす時間には強く心を動かされます。そして始まる1時間を超える大規模な攻城戦は、テレビドラマとは思えないスケールで圧倒されました。
一方で、この決戦は画面全体が非常に暗く、誰がどこで戦っているのか把握しづらい場面も多くありました。主要キャラクターたちの最期をもっとじっくり見届けたかっただけに、その点は少し惜しく感じます。それでもシオン・グレイジョイがブランを守るため、夜の王へ一直線に突撃する場面は胸を打たれました。長年罪を背負い続けてきた彼が、最後にスターク家への恩返しを果たそうとする姿はシリーズ屈指の名場面だったと思います。
また、夜の王を倒した瞬間に全てのワイトやホワイトウォーカーが崩れ落ちる設定は、やや都合が良すぎるようにも感じました。人類側の作戦も十分に伝わりきらず、終始押し込まれているように見えたため、もう少し戦略面が描かれていれば決戦の説得力はさらに増したと思います。それでも圧倒的な数で押し寄せる死者との攻防は迫力満点で、大規模戦闘として非常に見応えがありました。
ホワイトウォーカーとの決着後は物語が一気に収束へ向かい、キングズランディング攻防戦から主要人物たちが次々と退場していきます。展開がかなり駆け足になった印象はありますが、それだけ物語が終着点へ向かって進んでいることも実感できました。
そして最も衝撃だったのは、奴隷解放者として理想を掲げ続けてきたデナーリスが、キングズランディングを焼き払ってしまう展開です。これまで積み重ねてきた人物像との落差が大きく、複雑な気持ちになりました。その暴走する女王を止めなければならないジョンの苦悩も、この最終章を象徴するドラマだったと思います。
最後は長年争われ続けた鉄の玉座が消え去り、スターク家の兄妹たちがそれぞれ別々の未来へ歩み出します。シリーズ全体を通して振り返ると、数え切れない伏線や出会いと別れを積み重ねてきた壮大な物語でした。ここまで長い旅路を見届けられた満足感は非常に大きく、テレビドラマ史に残るスケールの作品だったと感じました。
☆☆☆☆☆
鑑賞日:2021/12/08 Amazon・プライムビデオ 2026/07/17 U-NEXT
| 製作総指揮 | デヴィッド・ベニオフ |
|---|---|
| D・B・ワイス | |
| 原作 | ジョージ・R・R・マーティン |
| 出演 | ピーター・ディンクレイジ |
|---|---|
| エミリア・クラーク | |
| キット・ハリントン | |
| メイジー・ウィリアムズ | |
| ニコライ・コスター=ワルドウ | |
| レナ・ヘディ | |
| ソフィー・ターナー | |
| アイザック・ヘンプステッド=ライト | |
| リーアム・カニンガム | |
| イアン・グレン |


