映画【コンクリート・ユートピア】感想(ネタバレ):団地で始まる終末サバイバル!韓国ドラマの衝撃展開と人間の狂気を描く1本

Concrete Utopia
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●こんなお話

 文明が崩壊して唯一残った団地の住民たちのサバイバルの話。

●感想

 韓国国内で団地建設が一気に進むニュース映像から始まるこの作品。まるで高度経済成長を象徴するようなスタートだと思っていたら、いきなり世界が崩壊。主人公が目覚めると、自分たちの団地以外の建物はすべて崩れ落ちていて、文明社会はすでに終わっています。

 生き延びることが最優先となる中、団地の住民たちは危機感を募らせていく。そんな中、主人公夫婦の家に助けを求める親子が訪ねてくる。主人公は戸惑いながらも、奥さんは迷いなく彼らを迎え入れ、食料を分け与える。

 やがて隣の部屋で火災が発生し、それを率先して消火した男性・ヨンタクが注目を集める。住民たちはこの混乱の中でリーダーを必要とし、ヨンタクを選出する。ヨンタクは団地外の人々を排除し、警備体制を強化、団地を“ユートピア”として機能させることに成功。住民たちは彼に感謝し、主人公もヨンタクの片腕のように行動するようになるが、奥さんはその変化をどこか冷めた目で見ている。

 一方で、ヨンタクには秘密があって。回想では、主人公が災害発生時に女性を見捨てて逃げた過去が描かれ、そしてヨンタクの隣人女性がある日現れることで真実が明らかになっていきます。実は現在の“ヨンタク”は本物ではなく、かつてヨンタクに騙されていた別人が殺害してすり替わっていたという。偽ヨンタクは隣人女性を脅し、真実を隠す。

 ある日、ヨンタクたちが外に食料探しに出たタイミングで、主人公の妻がヨンタクの部屋に入り、遺体を発見。帰ってきた偽ヨンタクに詰め寄り、住民たちも真実を知って追放しようと動き出します。しかし、そこへ団地の外から大勢の人々がなだれ込んできてパニック状態に。団地内は大混乱。

 戦いの中で偽ヨンタクは重傷を負い、自室に戻って意識を失う。主人公も怪我をし、奥さんと共に逃げるが、奥さんが目を覚ましたときには、主人公はすでに冷たくなっていた。絶望する中、偶然通りかかった人に助けられ、住居を無料で提供されておしまい。

 展開のスピードがとにかく早く、ありがちな安っぽさはなく、映像はスペクタクルで迫力満点。崩壊した世界の中で、人間がいかに狂信的になり、自分たちの正義や安全を作り出していくかを、圧倒的なスピード感で描いていたと思います。

 ただ、主人公にあまり魅力を感じられなかったり、外部の人々が最後に突然なだれ込んできた展開は、今までの警備体制の強さを思うと少し不自然に感じる部分もありました。サバイバルものとしての食料や燃料の描写もやや密度に欠けていたように思います。それでも、イ・ビョンホンの狂気に満ちた悪役ぶりを堪能できる、強烈な1本だと思いました。

☆☆☆

鑑賞日:2024/06/08 Amazonプライム・ビデオ

監督オム・テファ 
脚本イ・シンジ 
オム・テファ 
脚色チョ・スレ 
チョン・スンオ 
原作キム・スンニョン 
出演イ・ビョンホン 
パク・ソジュン 
パク・ボヨン 
キム・ソニョン 
パク・ジフ 
キム・ドユン 
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