映画【13日の金曜日 PART7/新しい恐怖】感想(ネタバレ):超能力少女とジェイソンの死闘

Friday the 13th Part 7 The New Blood
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●こんなお話

 超能力少女が治療のためにクリスタルレイクにやってきたらジェイソンステイサムを蘇らせてしまって大変な話。

詳細ネタバレあらすじ

 幼いティナ・シェパードは、クリスタル・レイクの湖畔にある別荘で父ジョンと暮らしていて。ティナには、物体を自分の意思で動かすことができる強力な念動力が備わっている。

 ある夜、ティナは父ジョンと口論になり、怒りと悲しみに支配されたティナは念動力を発動させ、父親を湖へ突き落としてしまう。ジョンはそのまま湖に沈み、ティナは自分の超能力によって父親を死なせてしまったと思い込む。この事件はティナの心に大きな傷を残し、彼女は成長してからも父親の死に責任を感じ続けることになる。

 数年後、成長したティナは母アマンダとともにクリスタル・レイクへ戻ってくる。ティナは精神的な問題を抱えており、ドクター・クルーズによる治療を受けていた。クルーズはティナの精神状態を診察する一方、彼女が持つ念動力にも強い関心を示している。ティナの能力を治療のために理解しようとしているように見えるが、実際には自分自身の研究や欲望のために利用しようとしていた。

 クリスタル・レイクに戻ったティナは、再び父親の死を思い出す。そして、父親を湖から助け出したいという思いから念動力を使う。しかし、ティナの能力が動かしたのは父親ではなかった。湖底には、前作『13日の金曜日 PART6 ジェイソンは生きていた!』で沈められたジェイソン・ボーヒーズが鎖につながれた状態で眠っていた。ティナの念動力によって鎖が外れ、ジェイソンは湖底からなぜか解放される。

 その頃、クリスタル・レイク周辺にはティナと母アマンダ、ドクター・クルーズのほか、ニック、メリッサ、ロビン、デヴィッド、マディ、ベン、ケイト、ラッセル、サンドラ、エディら若者たちが集まっていた。ニックはティナに好意を抱き、ティナも次第にニックに惹かれていく。一方、メリッサはニックに好意を持っており、ティナとの距離が近づいていくことを面白く思っていない。しかし、彼らの人間関係が複雑になっていく一方で、ジェイソンはすでに殺戮を開始される。

 ティナは念動力によってジェイソンの存在を感じ取るようになる。彼女の前には、これから起こる殺人を思わせる光景が浮かび上がる。しかし、ティナがクルーズに相談しても、クルーズは彼女の能力をまともに受け止めず、精神的な問題による幻覚だと考える。

 湖へ向かったラッセルとサンドラはジェイソンに襲われる。ラッセルが殺害され、サンドラも湖の中へ引きずり込まれる。マディはデヴィッドを探している途中でラッセルの遺体を発見し、恐怖に駆られて逃げ出す。しかし、ジェイソンから逃げ切ることはできず、納屋へ追い込まれたマディも殺される。

 さらにジェイソンはベンとケイトを襲う。ベンは頭部を強く殴られて殺され、ケイトもジェイソンの攻撃を受けて命を落とす。デヴィッドとエディもジェイソンの犠牲となり、ロビンも逃げようとするが、部屋の中でデヴィッドの遺体を発見した直後にジェイソンに襲われ、窓から投げ落とされる。こうして、クリスタル・レイク周辺に集まった若者たちは、ジェイソンによって次々に殺されていく。

 その一方で、ティナとニックは行動をともにするようになる。ティナはニックに、自分が念動力を持っていること、そして幼い頃にその能力によって父親を湖へ落としてしまったことを打ち明ける。ティナは自分の能力を恐れていたが、ジェイソンによる殺戮が続く中で、その力を使って彼を止めなければならなくなる。

 そんな中、アマンダはクルーズがティナの能力を治療ではなく、自分自身の目的のために利用しようとしていることに気づく。クルーズはティナを研究対象のように扱い、彼女の能力を利用しようとしていた。アマンダはそんなクルーズの態度に反発する。

 しかし、二人の前にもジェイソンが現れ、クルーズは自分が生き残るため、アマンダをジェイソンの前に突き出して逃げようとする。アマンダはジェイソンに殺害され、クルーズも逃走を続けるが、最終的にはジェイソンに捕まって殺される。

 ティナは母親を探している途中でアマンダの遺体を発見する。母親がジェイソンに殺されたことを知ったティナは激しく動揺する。そして、それまで恐れていた念動力をジェイソンに向けて使い始める。

 ティナは念動力でジェイソンの身体を吹き飛ばし、周囲の物体をぶつけて攻撃する。さらに建物の一部を崩してジェイソンを押し潰す。しかし、何度攻撃を受けてもジェイソンは立ち上がる。ティナの能力でもジェイソンを完全に倒すことはできず、ジェイソンは再びティナを追い始める。

 ティナとニックはメリッサと遭遇する。二人はジェイソンが実際に人々を殺していることを伝えるが、メリッサはその話を信じようとしない。しかし、その直後にジェイソンが姿を現す。メリッサは逃げることができず、ジェイソンに襲われて殺害される。

 ニックもジェイソンに襲われて倒される。ティナは再び念動力を使い、ジェイソンを吹き飛ばす。強烈な念動力によってジェイソンのホッケーマスクが破壊され、マスクの下にある腐敗した顔が露出する。それでもジェイソンは立ち上がる。ティナは念動力を使ってジェイソンを建物の地下へ落とし、さらに燃料を使って火を放つ。建物は炎に包まれ、ティナとニックはその場から逃げ出す。

 しかし、ジェイソンは炎の中から再び姿を現す。ニックはジェイソンに襲われて倒れ、ティナも追い詰められる。ティナの念動力によって、湖から父ジョンの姿が現れる。ジョンはジェイソンを捕らえ、湖底へ引きずり込む。ティナは力を使い果たして倒れる。

 翌朝、ティナとニックは救急車でクリスタル・レイクを離れておしまい。

●感想

 シリーズの中でもかなり思い切った設定を持ち込んだ作品だと思います。何より面白いのが、主人公のティナが父親を助けようとして念動力を使った結果、なぜか湖底に沈んでいたジェイソンを解放してしまうところです。

 「お父さんを助けたい」と思って超能力を使ったら、助かったのは父親ではなくジェイソンという展開なので、かなりぶっ飛んでいます。そして最後には、今度は本当に父親が復活して、ジェイソンを湖底へ連れ戻してしまいます。この映画、最初から最後まで「ティナの父親をめぐる話」なのか「ジェイソンを湖に戻す話」なのか分からなくなるほど、超能力とジェイソンの存在が強引に結びついています。そこまでやるのかという展開なので、思わず笑ってしまいました。

 ただ、映画として見ると、ティナとジェイソンの物語と、若者たちがジェイソンに殺されていく物語があまりうまくかみ合っていない印象もあります。

 基本的には、クリスタル・レイク周辺に集まった若者たちがジェイソンに一人ずつ襲われていくという、シリーズおなじみの構成です。殺害方法にはそれぞれ工夫があり、ジェイソンの殺し方のバリエーションを楽しむ作品としては面白いのですが、若者たちのパートがティナの物語とは別の場所で進んでいくため、個人的には少し退屈に感じました。

 せっかく主人公が強力な念動力を持っているのだから、もっとティナとジェイソンが直接対決する場面を増やしてもよかったと思います。水たまりに電撃のような力を走らせる場面など、ティナの能力を活かした描写には面白さがありましたし、物体を吹き飛ばしたり、建物を破壊したりする場面もあります。ただ、せっかくの超能力設定なのでもっと大胆に使ってほしかったです。

 一方で、ジェイソンのビジュアルはかなり好みでした。ホッケーマスクをかぶり、ボロボロになった服を着たジェイソンが暗闇から現れる姿には、シリーズならではの怪物的な魅力があります。特に今回は、前作までのジェイソンよりもさらに腐敗が進んだ姿になっており、肉体が崩れていくことで「人間ではない存在」という印象が強くなっています。ホッケーマスクが破壊されて素顔が露出する場面も含めて、見た目のインパクトはかなりあります。

 そして、個人的にはドクター・クルーズのキャラクターも面白かったです。ティナを治療する医師として登場しながら、実際には彼女の念動力を自分の欲望や研究のために利用しようとしている。さらにジェイソンが現れると、自分が助かるためにティナの母親であるアマンダを犠牲にして逃げようとします。

 このあたりは、ジェイソンが単純な殺人鬼として描かれているのに対して、人間側にも別の意味で恐ろしい人物がいるという構図になっています。ジェイソンは人を殺す怪物ですが、クルーズは自分が助かるためなら他人を犠牲にする。超能力やジェイソンの存在が派手な映画の中で、こうした人間の欲望や自己保身が描かれているところはよかったです。

 全体としては、超能力を持つ少女とジェイソンを戦わせるというアイデア自体は非常に面白いです。実際、ティナが念動力でジェイソンを吹き飛ばす場面には、これまでのシリーズにはなかった新鮮さがあります。ただ、せっかくの「超能力者VSジェイソン」という設定なのに、若者たちの殺害パートが長く続くため、ティナとジェイソンの対決が始まるまでが少し遠く感じました。

 それでも、最後にティナの父親が現れてジェイソンを湖底へ連れ戻すという結末は強烈です。ジェイソンを倒すために超能力少女が父親の霊を呼び出すという展開はかなり豪快で、シリーズの中でも異色の決着だと思います。普通の「ジェイソンを倒して終わり」という結末ではなく、ティナが父親との過去を乗り越える物語として締めくくったところは、この作品ならではのポイントでした。

☆☆

鑑賞日:2026/07/25 U-NEXT

監督ジョン・カール・ビュークラー 
脚本ダリル・ハニー 
マヌエル・フィデロ 
出演ラー・パーク・リンカーン 
ケヴィン・ブレア 
テリー・キサール 
ジョン・オトリン 
ケイン・ホッダー 
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