●こんなお話
廃墟のピザレストランを警備するけど過去のトラウマとかピザレストランで行われている実験の話。
●感想
物語は、ある警備員が何かに追われて恐怖に満ちた表情で拷問用のような椅子に縛りつけられ、顔に向かって得体の知れない機械が迫ってくるというオープニングから始まる。
一方で主人公の青年は目を覚まし、妹を起こそうとするが、妹の態度はどこか冷たく、あまり懐いていない様子。彼はショッピングモールの警備員として働いていて、いつものように馴染みのアイスクリーム店に立ち寄っていたところ、ひとりの少年が連れ去られそうだと勘違いし、相手を殴ってしまう。だがそれは誤解で、普通の親子だったためトラブルとなり、警備の仕事をクビになってしまう。
失職後、職業相談所で仕事を探すことになり、紹介されたのが廃墟と化したピザレストランでの夜勤警備。しかし、妹の面倒を見なければならず夜勤は難しいと最初は断る。しかし主人公の叔母は妹を引き取り、補助金を得ようとたくらんでおり、このままでは親権を奪われると焦った主人公は仕方なく夜勤の仕事を受け入れる。
その間、妹の面倒を見るのは若いシッターの女性だが、実は彼女は叔母に雇われており、主人公に虐待の証拠がないか探るという裏の目的を持っていた。証拠が見つからなかったため、彼の仕事先で問題を起こさせようと計画し、シッターが泥棒たちをピザレストランに送り込む。しかし、店内にいる謎の動物ロボットたちが突然動き出し、侵入者に襲いかかる。
一方、主人公は仕事を終えて帰宅すると警官がやってきて、泥棒が入ったとの通報を受ける。シッターが時間になっても現れないため、やむを得ず妹を仕事場に連れて行くことに。レストランでは妹が動物ロボットたちと出会い、なぜかすぐに打ち解けて仲良くなる。
主人公には幼い頃に弟を目の前で誘拐されたトラウマがあり、毎晩睡眠薬を使って夢の中でその事件の手がかりを探そうとしている。彼は夢で見た少年の姿を妹に絵で描いてほしいと頼む。さらに制服警官が登場し、実はピザレストランの創業者の娘であり、動物ロボットには誘拐された子どもたちの魂が宿っていると明かす。
やがて主人公は夢の中で「弟を返す代わりに妹を渡せ」と持ちかけられ、思わずその提案を受け入れてしまう。しかしすぐに後悔し、取り消そうとするも間に合わず、妹の前にロボットたちが現れ、叔母を殺害し彼女を連れ去ってしまう。
制服警官は動物ロボットが電気に弱いと助言し、主人公はテーザーガンを手にレストランに向かう。妹を救うためロボットたちと戦い、何とか撃退するが、最終的に黄色いうさぎのロボットが現れて最大の敵として立ちはだかる。この黄色いうさぎの正体は、なんと制服警官の実の父親。彼女は銃を構えるが撃てず、逆に刺されてしまう。
絶体絶命の中、妹が描いた「黄色いうさぎは悪い」という絵を見たロボットたちが意志を持ち、黄色いうさぎに逆らい、主人公と妹を助ける。そしてついにレストランから脱出し、物語はおしまい。
全体的にホラー映画としての印象よりも、悪夢のような夢の中を何度も繰り返す“ナイトメア映画”としての印象が強い作品でした。ただし110分という尺に対してはやや展開がゆっくりで、何も起きない時間が長く感じられたのが残念。またホラー描写としての迫力や怖さがあまり伝わってこないのも惜しかったです。
動物ロボットたちのデザインや動きは楽しく魅力的だったが、妹があっさりと彼らを受け入れてしまう描写や、制服警官が実は犯人の娘だったという設定、父親との対決で銃を構えるが撃てないといった展開も、ドラマチックというよりは淡々としていて盛り上がりに欠けました。
とはいえ、仕事中に睡眠薬を飲んで眠っても特に問題が起こらない職場というのは、ある意味で理想的かもしれないと、ちょっと羨ましく思える一本でした。
☆☆
鑑賞日:2024/02/10 イオンシネマ座間
監督 | エマ・タミ |
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脚本 | スコット・カーソン |
エマ・タミ | |
セス・カデバック | |
原作 | スコット・カーソン |
出演 | ジョシュ・ハッチャーソン |
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エリザベス・レイル | |
パイパー・ルビオ | |
キャット・コナー・スターリング | |
メアリー・スチュアート・マスターソン | |
マシュー・リラード |