映画【ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生】感想(ネタバレ):魔法と運命が交差する、新たな冒険の旅へ

FANTASTIC BEASTS: THE CRIMES OF GRINDELWALD
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●こんなお話

 悪い魔法使いが逃げ出して主人公が捜索したり悪い魔法使いに惹きつけられる魔法使いがいたりの話。

●感想

 前作で捕らえられた強大な魔法使いが、ものの数分で鉄格子を破って脱獄する場面から物語が始まる。彼は魔法界の自由を取り戻すためと称して、人間界への干渉と支配を進めようと画策する。再び姿を現した彼の動きに対抗すべく、主人公は旧友の魔法使いから密命を受け、逃走した魔法使いを探す旅に出ることになる。

 主人公は魔法動物たちと仲間とともにフランスへ渡る。そこでは、かつて心を通わせた恋人の姿を追い求めるが、再会した彼女はかつての彼女ではなかった。どうやら心に魔法がかけられ、意思を操られている様子で、人間と魔法使いとの間の恋愛や信頼の難しさ、魔法によって感情が干渉されるという不自由さが描かれていく。

 一方、悪の魔法使いは力を秘めた青年を引き込もうと動いており、その青年もまた、自らの出生の秘密を求めて実の母親を探し続けていた。物語はそれぞれの思惑を抱えた登場人物たちが、時にぶつかり合い、時にすれ違いながら進んでいく。

 主人公たちはフランスの魔法省に忍び込んで情報を得ようとしたり、途中で様々な魔法動物の協力を得たりしながら、少しずつ敵の計画に迫っていく。そして物語の終盤では、重要な人物が集まる墓地に全員が集合する。悪の魔法使いが群衆に向けて演説を行い、その思想に共鳴する者と距離を置く者が明らかになっていく。

 この場面で初めて敵と味方の立ち位置が鮮明になり、ここから本格的な衝突へと向かう。一触即発の中で、フランス全体が崩壊してしまうのではと思わせる危機を魔法で押しとどめ、主人公たちは次なる戦いに向かって歩き出す。

 映像面では、魔法動物たちの細やかな動きや、建築物・衣装のデザインなど、美術的な要素は見応えがあったと感じます。イギリスやフランスの歴史的建造物を背景に、細部まで作り込まれた魔法世界の表現は印象に残りました。

 ただ、物語の進行はテンポが不安定で、各キャラクターの集結もあまりに急で、気づけば全員が同じ場所に揃っているという状況にやや戸惑いました。感情のやり取りが説明的に処理されている部分も多く、「こうだったのか」と会話だけで納得させられてしまう展開が多かったように思います。

 また、後半に登場する非常に高齢な魔法使いが突然戦いに加わる場面は、背景の説明が少なく、「この方はどなたですか?」と困惑しながら観ていた印象も残っています。

 戦闘シーンに関しても、魔法動物が跳ねたり爆発が起こったりと、視覚的な派手さはあっても、心に訴えかけるような迫力や緊張感はあまり感じることができなかったです。ただし、そういった要素よりも、魔法世界のディテールや設定の奥深さを楽しむ作品として観ると、価値のある一作だったと思います。

☆☆☆

鑑賞日:2023/01/08 NETFLIX

監督デイビッド・イェーツ 
脚本J・K・ローリング 
原作J・K・ローリング 
出演エディ・レッドメイン 
キャサリン・ウォーターストン 
アリソン・スドル 
ダン・フォグラー 
エズラ・ミラー 
ジュード・ロウ 
ジョニー・デップ 
ゾーイ・クラビッツ 
カラム・ターナー 
キム・スヒョン 
ブロンティス・ホドロフスキー 
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