映画【モガディシュ 脱出までの14日間】感想(ネタバレ):韓国大使と参事官の緊迫の脱出劇!ソマリアを舞台にした国際政治ドラマ

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●こんなお話

 内戦状態のソマリアで韓国大使と北朝鮮大使がイタリア大使館へ向けて脱出するために頑張る話。

●感想

 国連加盟を目指す韓国は、ソマリアの支援を得るために主人公である韓国大使が参事官とともにロビー活動を行っている。しかし、北朝鮮大使の妨害が激しく、なかなか計画は順調に進まない。

 大統領と面会する予定もあり、贈り物まで用意していたが、武装勢力に奪われるトラブルに見舞われ、大統領に会いに行ったものの遅刻を理由に面会できない。さらに北朝鮮大使とホテルで話しているとクーデター軍が迫り、緊迫した状況に。 

 大使館に戻り警備を要請するが、韓国大使館にクーデター軍のリーダーが逃げ込んでくる。追い出すべきか守るべきか悩むが、その後北朝鮮大使館にも武装勢力が迫るため、中国大使館へ避難しようとする。しかし途中で韓国大使館へ救援を求められ、入れるかどうかで揉めるものの結局受け入れて一緒に食事をし、緊張が一瞬和らぐ場面もある。

 ところが、韓国の参事官が北朝鮮大使たちを利用して転向を促す書類を作成し、それがきっかけで両者が衝突。韓国側はイタリア大使館へ、北朝鮮側はエジプト大使館へそれぞれ交渉に向かう。北朝鮮側はエジプト大使館に拒否されるが、イタリア大使館は韓国の脱出に協力し、北朝鮮側の転向を約束させて許可を得る。

 脱出計画の準備として、車に砂袋や本をDIYで装備し、イタリア大使館へ向かう途中に軍隊の襲撃を受けて激しいカーチェイスに発展。何とか大使館に到着し、両者は飛行機で脱出する。迎えに来たそれぞれの国の関係者と無関係のふりをしながら機外に去っていき、物語はおしまい。

 全編を通じて、緊迫感あふれる脱出劇が展開され、特にクライマックスのカーチェイスでは縦横無尽に動くカメラワークに引き込まれました。危機的な状況になってからは、北朝鮮側にも感情移入でき、彼らが追い詰められる場面には自然と同情が湧くものでした。ソマリアという舞台設定も安っぽさを感じさせず、スケール感と迫力がしっかり伝わる良作だと思います。

 ただし、物語の緊張感が高まるまでの日常描写がやや長く感じられ、退屈に思う部分もありました。しかし、食事を共にし何も言わずとも交流が進む様子は、国籍や立場を超えて人間としての関係が築かれていく様が温かく伝わってくる1作でした。

☆☆☆

鑑賞日:2023/09/05 NETFLIX

監督リュ・スンワン 
脚本リュ・スンワン 
出演キム・ユンソク 
チョ・インソン 
ホ・ジュノ 
ク・ギョファン 
キム・ソジン 
チョン・マンシク 
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