映画【漂流教室】感想(ネタバレ)

DRIFTING SCHOOL
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●こんなお話

 アメリカンスクールが丸ごとタイムスリップして砂漠の世界に行っちゃう話。

●感想

 これまたTHE大林宣彦ワールド全開でぶっ飛んでいる作品で、主人公が三田佳子さん演じる母親のおっぱいをもんで「アイラブユー」と首筋にキスしていちゃいちゃするところから振り落とされる展開が素晴らしいです。めちゃくちゃ仲がいい親子だと思っていたら、10秒後には塾に行く行かないで喧嘩して「二度帰るか」家を飛び出す感情のジェットコースターっぷりにクラクラさせられます。

 アメリカンスクールの生徒さんたち皆さんやたらと陽気で南果歩さん演じる教師が結婚することを知って、みんなで教室でミュージカルをする。漂流後もみんなでミュージカルしたり相当ポジティブな思考はどんな絶望的な状況になっても明るさを忘れてはいけないと勉強させてくれます。

 学校ごと砂の世界に飛ばされてしまったのにとにかく悲壮感ない主人公たちが凄くて、「お腹減った。フード! フード!」と揉めたりしますが、サバイバルものとしてはよくわからなくてどこまで危機感があるのかとかわからず。「リーダーを決めよう」と男の子同士で決闘したりするのを呆然と見つめるだけでした。

 給食搬入の業者さんの尾美としのりさんが「英語わからない」と言って怪しく登場しますが、愛犬の死で発狂して襲ってきて、主人公が首を絞められて殺されそうになると現代にいる母親が何かを察して木製バットを現場に放り投げるとそれが息子のもとに届いてそのバットでぶん殴ってやっつけるという。愛の力でバットは時空を超えることを教えてくれます。

 そして謎の巨大ゴキブリみたいなのが襲ってきて死者が出ますが、画面がチカチカで正直何が起こってるのかわからないです。そしてピアノを弾くと襲ってこない習性…。

 主人公数人が冒険の旅に出て竜巻に襲われたりして1日経って学校に戻ってくると学校は1か月経っている。そして死者も大勢出てほとんどいなくなっちゃってます。そして最初のタイムスリップが起きた時のような竜巻が起こって戻れるかとなりますが、体重が重いと竜巻に入れないという物理的な問題でみんな戻れないという。三輪車に乗っている1人の子どもだけ帰っていきます。主人公たちと一緒に呆然とその様子を見つめることしかできなかったです。

 主人公の恋のライバルっぽいサッカーボールを持っているマークが最後にする自己犠牲の精神も巨大ゴキブリをピンで串刺しにする作戦もピカピカの映像の中で何をしているのかわからないままの行動になってしまって残念でした。

 なかなかのカオスな映画で原作ファンが激怒するのも納得の映画ですが、とはいえ子役の林泰文さんが英語を頑張っていてリーダーとしてタイムスリップ後も頑張っていく姿を応援する映画でした。

☆☆

鑑賞日:2021/04/19 WOWOW

監督大林宣彦 
脚本橋本以蔵 
潤色大林宣彦 
石上三登志 
小倉洋二 
原作楳図かずお 
出演林泰文 
三田佳子 
小林稔侍 
浅野愛子 
トーマス・サットン 
佐々木一成 
原田貴和子 
オーラ・ラニ 
南果歩 
トロイ・ドナヒュー 
尾美としのり 
高橋悦史 
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