映画【殺しのドレス】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 人妻が殺されたので、目撃者で警察から容疑をかけられつつ被害者の息子と一緒に真犯人を探る話。

●感想

 やっぱりさすがのデパルマ作品の映像美で、序盤は人妻が欲求不満で旦那さんとの生活に満足していなくて、カウンセリングの先生を誘惑したりしつつ美術館に立ち寄って行きずりの男との追いかけっこも人妻の視線だけで台詞なしで長いこと映像だけで全部説明するのがやっぱり見どころで固唾をのんでみてしまう名シーンでした。手袋を落としたり下着をタクシーに落としたり指輪を落としたりと人妻はすべて落としてしまうおっちょこちょいっぷりが凄いです。この発端部分は精神科医との会話と息子と会話数くらいで台詞がないまま進むのが素晴らしいです。

 中盤から主人公が変わってバディものとして捜査するのと精神科医が自分の患者が殺されたのでどうすんだとなっていく。まんまヒッチコックの「サイコ」感いっぱいで真犯人が明らかになる驚きや面白さはそれほどでもなかったですが、100分間の映画で説明を映像で全部してしまう技術的なもので引っ張る作風が凄いです。殺人犯の攻撃がカミソリというのも怖くて、最後の「キャリー」的なびっくりなオチとかも痛くて見るに堪えない辛いラストシーンでした。

 科学オタクの息子さんが自作の盗聴器とかで会話を盗み聞きして展開していくのとかも母親が殺された悲しみとかはあまりなく、単純に自分のスキルで突破していくのとかも楽しいキャラクターでした。

 デ・パルマ作品の魅力が詰まった1本だと思いました。 

☆☆☆☆

鑑賞日:2021/04/08 U-NEXT

監督ブライアン・デ・パルマ 
脚本ブライアン・デ・パルマ 
出演マイケル・ケイン 
アンジー・ディッキンソン 
ナンシー・アレン 
キース・ゴードン 
デニス・フランツ 
デイヴィッド・マーグリース 
フレッド・ウェバー 
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