●こんなお話
終末期の患者さんを殺害する犯人を追いかける話。
●感想
夜の公衆電話で警察に「お父さんが殺された」と連絡する少年から始まり、主人公が入院した娘さんの相手をしている。同僚の刑事に呼ばれて、冒頭の電話の少年に話を聞きに行きてというツカミ。
少年のお芝居から結構きつくて不安な出だしでした。火葬場で少年に事情聴取をして、病死ではなく事件性があると判断する主人公。火葬する直前で遺族の同意なく司法解剖する権限があるというのを初めて知りました。無理やりご遺体を警察で引き取って解剖の結果、薬を大量に打たれているのが判明して事件性があることになって、犯人を捜すことになる。
調べるうちに大量に安楽死をしている医者がいることが判明して、しかもその医者はドクター・デスと名乗っている。このときの演出の問題か「ドクダーです」と聞こえて一瞬、なんて言った? となってしまいました。自分でそんなことを名乗るのはダサいとは思いますが、どうやらドクター・デスは闇サイトを立ち上げていて安楽死を望む人と連絡を取って事件を起こしているらしい。
安楽死の是非の問題を掘り下げるのかと思いきや、主人公は闘病や看病の苦しさを考えずにとにかく「そんなのは殺人だ」の一点張りで犯人は「安楽死は芸術だ」みたいなこちらも一点張りなので、全く安楽死の問題点などを取り上げるわけでもないのが、ものすごくガッカリでした。どうしてこういう題材をモチーフにしたのか謎でした。
犯人を追いかけるミステリー物としても、犯人の家を検証して隣の部屋のドアノブを見てこれまた管理人の同意を得ずドアを思いきり破壊して侵入するという。したらそこに大量のネガが吊り下げられていて…という展開とかも強引だと思いました。全く捜査ものの面白さがなかったです。
そして犯人は難病の主人公の娘のもとに行って「あなたは父親のお荷物」みたいな暗示をかけて娘が闇サイトで連絡を取ってしまうという行為をするという。催眠術のパワーを持っている犯人にびっくりでした。そして娘を救出する主人公と犯人の対決も注射のつかみ合いという面白さが全く伝わらない格闘でした。相棒の刑事も簡単に現場に来て普通に犯人に立ち向かうという。
主人公同士が居酒屋で好きな焼き鳥を食べる食べないのくだりが果たして必要だったのかとか考え込んでしまう映画でした。
☆
鑑賞日:2021/11/29 Amazonプライム・ビデオ
監督 | 深川栄洋 |
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脚本 | 川崎いづみ |
原作 | 中山七里 |
出演 | 綾野剛 |
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北川景子 | |
岡田健史 | |
前野朋哉 | |
青山美郷 | |
石黒賢 | |
柄本明 | |
木村佳乃 |