●こんなお話
昼は弁護士、夜はマスク男として法律で裁けない相手をボコボコにする主人公がデアデビルになるまでの話。
●感想
子どもの頃、有毒物質を浴びて失明してしまった主人公。だがそれをきっかけに、心臓の鼓動から人の動きや心を読み取るという特殊な感覚を手に入れる。法律だけでは救えない現実に直面し、自らの手で暴力を使って悪を裁くようになるが、そのことに葛藤を感じ、たびたび教会で懺悔する姿が描かれていく。
物語の敵として立ちはだかるのが、街を裏から支配する男・フィスク。彼もまた単なる悪役ではなく、画商の恋人がいたり、親しい部下との友情があったりと、人間味のある描かれ方をしていて印象的。
ロシアンマフィアの兄弟が登場し、主人公との対立が激化。覆面姿の男として活動する主人公が警戒される中、マフィアはフィスクの名前を恐れるようになる。そんな中、フィスクは恋人とのデート中にロシアンマフィアの弟が乱入してきたことに激怒し、直接彼を殺害。ここからフィスクの恐ろしさが一気に加速していく。
ロシアンマフィアの兄がフィスクを殺そうとするが、逆にアジトを爆破されて壊滅。警察も突入し、主人公は負傷したマフィアの兄を助けながら警官隊をかわして逃走。正義と悪の境界があいまいなまま話が進んでいく。
一方で記者と法律事務所の見習いがフィスクを追い詰めようと動き、フィスクの母親に接触したり、今度はヤクザ組織が子どもを密輸している事件が発覚したりと、敵は次々と現れる。さらに、主人公の師匠が登場し、共に戦う流れに。ヤクザの親分はニンジャのような風貌と戦闘力を持ち、主人公とのバトルはかなり激しい。
重傷を負った主人公は、ついに親友である弁護士に正体がバレてしまい、「なぜ今まで隠していたのか」と言われて友情が壊れてしまうのも見どころのひとつです。
内部抗争も激化して、フィスクの恋人が毒殺されかけたり、それがきっかけでフィスクが怒り狂ったりと、悪側のドラマも見応えがある。フィスクの秘書が主人公の仲間を誘拐しようとして、逆に撃たれてしまい、フィスクの怒りはさらに増していく。
終盤では、フィスクに買収されていた警官を主人公が守り抜き、その警官の証言によって関係者が次々に逮捕され、フィスクも拘束される。だがそこから逃走。主人公はついに黒いマスクを脱ぎ、特製の防護スーツを身につけて“デアデビル”としてフィスクと正面から殴り合いを演じ、最後はフィスクを倒して警察に引き渡しておしまい。
全体的に話は暗く、夜のシーンが多いせいで映像が見えにくい部分もありますが、その分アクションの泥臭さや重みが感じられて、殴り合いの演出はかなり好みでした。特に後半、登場人物が出そろってからは怒涛の展開で続きが気になる構成になっていました。
主人公は目が見えないはずなのに、ビルの屋上を飛び移ったり飛び降りたりする動きがすごくて、「本当に見えてないのか?」と思うくらいの身体能力も見どころです。
ただ、1話あたり約60分で13話構成というのはちょっと長く感じる部分もあって、ロシアンマフィアの回想や、主人公と親友の出会いなど、そこまで深堀りが必要なのか?と思うところもあったり。でも、それもキャラクターの深みを出すためなんだと思えば納得できました。
ロシアンマフィア、日本のヤクザ、チャイニーズマフィアと次々に敵対する組織を潰していく展開は見応えがあり、マスコミや警察も腐敗している中で、どう戦うのかという点でも見どころが多いドラマでした。
☆☆☆☆
鑑賞日: 2016/09/14 NETFLIX 2024/2/13 Disney+
製作総指揮 | スティーヴン・S・デナイト |
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脚本 | ドリュー・ゴダード |
ジェフ・ローブ |
出演 | チャーリー・コックス |
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ロザリオ・ドーソン | |
ヴィンセント・ドノフリオ | |
デボラ・アン・ウォール | |
エルデン・ヘンソン | |
ボブ・ガントン | |
トビー・レオナルド・ムーア | |
ヴォンディ・カーティス=ホール |
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