映画【小さいおうち】感想(ネタバレ)

chiisai-ouchi
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●こんなお話

 昭和初期、奉公にきた女中が赤い屋根の小さなおうちで見た恋愛の話。

●感想

 おばあちゃんの自叙伝という形式で現代と昭和を回想していく。
 昭和初期の日本の空気を見せてくれる映像を見てるだけでも面白かったです。戦争が起こってるけど、景気がよくなるとどこかウキウキしている人々。女中の仕事も見ることができて新鮮な気持ちで見ることができました。
 独特の台詞廻しや間なんかは山田作品らしい作風は相変わらずで、役者さんたちも山田組の固定の役者さんたちもハマっていてよかったと思います。

 大きな盛り上がりもなく静かに淡々と進む展開ですが、そんな日々の中に戦争の足音がだんだんと身近まで迫ってきて、奉公先で旦那さんと奥さんと坊ちゃんと幸せな生活をしていたけど。部下の青年と奥さんが出会ったことにより女中の心が乱れていく。
 何とか崩壊しないように自分なりに頑張ろうとする女中。戦争シーンはないのに戦争を感じさせる大人たちの会話なんか素晴らしかったです。

 現代パートでは戦時中を知る者と勉強で戦争を知る者との違いなんかもわかりやすぎるかな説明的すぎるかなとも思わなくはないですが「戦時中こんなわけない」とおばあちゃんに迫る。戦争というのは自分に火の粉が降りかからなければ意外にのんびりとしてしまうものなのかなと違いを見せていきます。

 女中の自叙伝の回想という形での描かれ方ですが、女中が見ていない奥さまと青年の2人だけのシーンなんかもありあれは空想なのか何なのかの説明なんかもなかったです。
 そしてだんだんとサスペンス要素があり、ホームドラマとして社会ドラマとして面白い映画でした。

☆☆☆☆

鑑賞日: 2014/01/26  TOHOシネマズ南大沢

監督山田洋次 
脚本山田洋次 
平松恵美子 
原作中島京子
出演松たか子 
黒木華 
片岡孝太郎 
吉岡秀隆 
妻夫木聡 
倍賞千恵子 
橋爪功 
吉行和子 
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