●こんなお話
ブレイドがヴァンパイアの始祖のドラキュラと戦う話。
●感想
主人公がヴァンパイアハンターとして活動する中で、最初にヴァンパイアだと思って銀の杭で攻撃した相手が実は人間であったという展開から始まります。ヴァンパイアは殺すと灰になるはずですが、その相手は「自分は人間だ」と答えたことで、物語のトリックが描かれており、興味を引き付けました。
主人公はその後、警察から殺人容疑をかけられ追われる立場となり、仲間のウィスラーが尾行される中、警察がアジトに突入。ウィスラーは警官とともに自爆し、主人公は逮捕されてしまいます。取り調べの際には警察内部にもヴァンパイアの手先が潜んでおり、主人公がヴァンパイアに捕まる寸前で、彼を救出に現れる仲間たちと共に脱出。彼らはウィスラーの娘であり、独自にヴァンパイアハンターとして活動しながら、兵器開発やヴァンパイア根絶のための薬の研究も行っていました。
仲間たちと協力しながらヴァンパイアを退治し、ヴァンパイアの手先である警察幹部を脅して情報を得るなどありつつ。人間の血液を輸血パックで吸い取る工場の存在など斬新な設定も見どころです。
しかし、ヴァンパイアの襲撃により仲間のアジトは壊滅的な被害を受け、殺された博士が遺したメッセージをもとに、ヴァンパイア根絶の薬を手に主人公たちは再びアジトへ突入。捕まった仲間を救いながらヴァンパイアを倒し、最終的にヴァンパイアのボスに薬を注射。その影響で薬が拡散し、ヴァンパイアたちは次々と死滅して物語はおしまい。
冒頭の20分間は、ブレイドがヴァンパイアと誤認して殺害した相手が実は人間だったという意外性あるシーンから始まり、カーチェイスなどのスタイリッシュなアクションが続き、非常に引き込まれました。ブレイドが「ヴァンパイアなのにどうして灰にならないのか?」と尋ねる場面と、相手が「だって人間だから」と答えるやり取りはコミカルで、ヴァンパイアのトラップに引っかかるシーンとして笑いを誘います。
ウィスラーと警察の戦闘シーンから本筋が始まりますが、その後は殺人容疑の話がほとんど関係しなくなるという意外な展開も印象的でした。ヴァンパイアの奴隷となった人間がホームレスを飼育するシステムなどの設定も斬新で興味深いものです。アジトがあっさりバレて仲間が壊滅的な被害を受けるのは定番ですが、主要な味方は殺されずに捕まるという展開もドラマを盛り上げていました。
クライマックスの戦いは、ウエズリー・スナイプスのしなやかなアクションがたっぷりで非常に見応えがあり、興奮して観ることができました。一方で、敵役のドラキュラが強いのか弱いのかよくわからず、キャラクターとしての魅力に欠けていたのは少々残念です。
それでも、リアリティよりもビジュアル重視のスタイリッシュな演出は好感が持て、多くのアクションファンに楽しんでいただける作品であると感じました。
☆☆☆
鑑賞日: 2010/05/19 DVD 2020/03/15 WOWOW 2024/09/15 Amazonプライム・ビデオ
監督 | デイヴィッド・S・ゴイヤー |
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脚本 | デイヴィッド・S・ゴイヤー |
出演 | ウェズリー・スナイプス |
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クリス・クリストファーソン | |
ジェシカ・ビール | |
ライアン・レイノルズ | |
パーカー・ポージー | |
ドミニク・パーセル |