映画【ブレイド2】感想(ネタバレ):吸血鬼VS新種リーパーズ!裏切りと共闘が交錯する超絶アクション

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●こんなお話

 ヴァンパイアハンターが新種のヴァンパイアと戦う話。

●感想

 前作で命を落としたと思われていた相棒が実は生きており、ヴァンパイアに連れ去られていたという情報からスタート。主人公は相棒の救出のため、ヴァンパイアのアジトに単身で乗り込んで、そこで薬を投与することで相棒のヴァンパイア化を止め、何とか救い出すことに成功。

 その一方で、従来のヴァンパイアを襲う“新種”の存在――「リーパーズ」が登場。主人公のもとに現れたヴァンパイアは、共通の敵であるリーパーズに対抗するため、一時的な共闘を申し出ます。主人公と、彼を倒すために結成された“ブラッド・パック”と呼ばれる特殊部隊が共にリーパーズ討伐に動き出します。

 最初の戦いの舞台はヴァンパイアのクラブ。クラブの雰囲気やアクションの見せ方が非常にスタイリッシュで、それぞれのキャラクターにしっかりと見せ場があり、テンポも良く見応えがありました。特に冒頭の映像演出は、デジタルコミックのような斬新なスタイルが印象的で、一気に観客を作品世界へと引き込んでいきます。

 やがてリーパーズの拠点が下水道にあることが判明し、主人公たちは直接乗り込むことになりますが、そこでは仲間の一人がリーパーズに感染し、仲間同士の殺し合いが始まるという展開に突入。そして、味方であるはずのヴァンパイアたちが裏切りを見せ、主人公たちを抹殺しようと画策。そこへ大量のリーパーズが出現し、激しい市街戦が勃発します。

 その後、主人公は捕らえられ、リーパーズが実はヴァンパイアが人工的に創り出した存在であり、しかも王の息子であったことが明かされます。身内に裏切り者がいたことも判明して、危機的状況の中、リーパーズが襲撃してきたことで主人公は命拾いし、相棒の助けを借りて脱出。血のプールに浸かって完全復活を果たした主人公は、敵を次々と倒し、ついにはリーパーズと直接対決し勝利しておしまい。

 序盤のテンポとアクションの完成度は非常に高く、映像のクオリティと演出も素晴らしいものでした。特に、ヒロイン的存在が老人という設定もユニークで、作品に独自の魅力を与えていたと思います。

 ただし中盤以降、リーパーズとヴァンパイアの関係性が明らかになることで、ストーリーは失速気味になり、敵対関係の軸がブレる印象もありました。特に、ブラッド・パックの扱いが徐々に軽くなり、魅力的だったキャラクターたちが次々と消えてしまう展開には物足りなさを覚えました。ドニー・イエンに至っては、華麗な登場を果たしながらも実質ワンアクションでの退場となってしまい、非常に残念です。

 また、リーパーズが実は悲劇的な存在だったという設定にもかかわらず、主人公と彼らの最終決戦にはやや説得力に欠け、「何のために戦っているのか」という点で観客の共感を得にくくなっていたかもしれません。

 とはいえ、終盤のアクションシーンは見応えがあり、まるでデジタルプロレスのような迫力に満ちており、視覚的な満足感は十分に得られる作品でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2012/04/26 DVD 2016/08/10 NETFLIX 2020/03/14 WOWOW 2024/08/03 Amazonプライム・ビデオ

監督ギレルモ・デル・トロ 
脚本デイヴィッド・S・ゴイヤー 
出演ウェズリー・スナイプス 
クリス・クリストファーソン 
ロン・パールマン 
レオノラ・ヴァレラ 
ノーマン・リーダス 
トーマス・クレッチマン 
ルーク・ゴス 
マシュウ・シュルツ 
ドニー・イェン 
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