●こんなお話
FBIの潜入捜査官を助けたり裏側の仕事をする主人公がFBIの悪事を暴こうとする話。
●感想
若手で将来を期待されていた政治家が、演説で注目を集めていた矢先にひき逃げで命を落とすというショッキングな事件が起こる。物語はそこからスタート。主人公はFBI捜査官で、暴徒に襲われていた別のFBI捜査官を車で救出し、上司にそのことを報告する。彼には娘と孫がいて大切に思ってはいるけど、仕事中心の生き方に対して娘は複雑な思いを抱いている。
引退を視野に入れて静かな仕事を望む主人公だけど、次に任されたのは潜入捜査官の救出任務。しかしこの任務もうまくいかず、警察署でのトラブルを経てなんとか潜入捜査官を外に出すが、結局は逃走されてしまう。その捜査官は、実は政治家の死に関する極秘情報を握っていた。
同時に、熱心な記者が政治家の不審死に目をつけて動いており、彼女が接触した情報源こそが逃亡中の潜入捜査官だった。主人公もその現場に向かうが、捜査官は何者かによって殺されてしまう。
主人公と記者が手を組んで調べていく中で、「あるプログラム」の存在が明かされ、それが事件の鍵を握っていると判明。しかし主人公が上司にそのことを問いただすと、逆に脅迫される。さらに記者の上司が記事にしようとすると、事故に見せかけて命を奪われる。そして主人公の娘と孫までもが突然行方不明になり、事態はどんどん深刻になっていく。
記者の情報から「オペレーション」の証拠が上司の家にあると分かり、主人公は上司の家に侵入して金庫を開けさせる。しかしそこに部下たちが突入してきて、家の中で銃撃戦に。殺し屋たちを相手に激しいバトルの末、全員を倒す。
証拠となるハードディスクの中には、政治家が潜入捜査官と恋愛関係にあったことを示す映像が残されていた。捜査官は本当は政治家を暗殺する任務だったが、心を通わせてしまったという事実。
最後に主人公は上司に再び会いに行き、真実を公表するよう強く迫る。そしてすべての真相が明るみに出て、娘と孫とも無事に再会してエンディングへ。
全体としてカーチェイスや銃撃戦、政治的陰謀などいろんなジャンルを詰め込んだアクション映画ではありますが、それぞれの要素がうまくかみ合っていなくて、印象が薄いのが残念でした。例えば家の中で待ち構えて刺客と戦うシーンも、ただの銃撃戦で、現役の殺し屋2人をあっさり倒してしまうのも説得力がなく、主人公だから勝てたように見えてしまいます。
FBI長官が実は黒幕という展開もありがちで、何度も顔を合わせて簡単に脅す主人公の行動にもリアリティが感じられなかったです。捜査中に娘と孫に会いに行って逃走されるとか、トラックで派手に逃げる潜入捜査官のくだりも、勢いはあるけど何が起きているのか分からなくなるような雑な展開に感じます。
設定は悪くなく、陰謀とアクションという題材も魅力的でしたが、見せ方や演出がどこか平坦で惜しい作品でした。
☆☆
鑑賞日:2024/02/06 WOWOW
監督 | マーク・ウィリアムズ |
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脚本 | ニック・メイ |
マーク・ウィリアムズ | |
原案 | ニック・メイ |
ブランドン・リーヴィス |
出演 | リーアム・ニーソン |
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エイダン・クイン | |
エミー・レイヴァー・ランプマン | |
テイラー・ジョン・スミス |