映画【沈黙の達人】感想(ネタバレ):カンフー×超能力少女×特殊部隊!謎が多すぎる異色アクション映画

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●こんなお話

 元特殊部隊で今はカンフーマスターであり人々を治癒する主人公が誘拐された村の娘を救うために立ち上がる話。

●感想

 戦場で特殊部隊として活躍していた主人公は、任務中に多くの死と向き合い、今はタイで静かに暮らしている。そこへ、かつての同門であり現在は経営者をしているカンフーの使い手が訪ねてきて旧交を温める。最初は誤解から主人公に怒りをぶつけ、一騎打ちを挑むが返り討ちに。のちに主人公の人助けの行動を知って感服し、弟子入りすることになる。

 主人公は地元で、言葉を話せない少年と出会ったり、首が回らなくなった老人に針治療を施したりと、穏やかな日々を送っている。

 ある日、犯罪組織に少女が拉致され、助けを求められる。その少女には超能力があり、犯罪組織のボスはそれを利用しようとしているという。主人公はかつての仲間たちに声をかけ、少女を救出するために動き出す。組織が運営するクラブを調査し、そこへ単身乗り込んで壮絶なバトルを繰り広げ、少女を救い出す。

 そして主人公は、複数のカンフーマスターたちと会合を開き、「カンフーの思想を広めよう」と宣言。最後はなぜかギターを弾いて歌を披露しておしまい。

 映像は綺麗で安っぽさがなく、銃撃戦の迫力もあり、アクションシーンは見応えがあったと思います。ただ、中盤までは主人公が「悟りを開いたマスター」のように完璧すぎて、出会う人々を次々に救っていくだけの展開が続き、どこに向かっているのか掴みづらい印象でした。

 さらにラスト10分で突然敵のアジトに乗り込み、問答無用で射殺していくという凄まじいギャップも衝撃だ的。超能力少女の設定の活かし方も不明瞭で、主人公の同門が「お前は私の息子だ」といきなり師父に告げられて戸惑うシーンも、特に掘り下げられることなく終わってました。

 結局、カンフーの思想を広めたいという主人公の唐突な宣言と、エンドロールでのギター演奏と歌唱という謎演出で締めくくられ、「この人は一体何者だったのか?」という気持ちが残る少し不思議な作品でした。

☆☆

鑑賞日:2023/10/17 Amazonプライム・ビデオ

監督マチュー・ウェシュラー 
出演スティーブン・セガール 
ルイス・ファン 
ユー・カン 
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