●こんなお話
明治、大正、昭和のいろんな暗殺事件の話。
●感想
次から次に出てくるテロリストたちがオールスターキャストでそれだけで楽しい映画でした。しかも冒頭の桜田門外の変から大久保利通暗殺、大隈重信暗殺未遂に犯人の主観視点での星亨暗殺事件など。そこから菅原文太さんが貧困層のためにビルを建ててくれと訴えて断れると襲い掛かる安田善次郎暗殺事件。本当に暗殺のダイジェストで特に説明や背景もないです。有名な暗殺事件を豪華キャストがやっているという以上のものも特に感じなかったです。
ギロチン社事件になるとやっと犯人が「あーお金が欲しいなぁ」とのんきに言っているのが印象的でした。そしてメインの血盟団事件の犯人である小沼正の半生が長い時間描かれます。当時の農村など貧困層や真面目に働いているのに警察の腐敗や高利貸しなどによって奉公しているカステラ屋の倒産。職人たちの苦悩。そこでの恋愛も描かれたり。井上日召に出会って入信してという。最初に井上日召が登場するときにピカーン! と稲妻が走って登場するカリスマ性表現が凄かったです。千葉真一さんが朝日に向かって「南無妙法蓮華経」とお題目を唱えるいっちゃった目つきが最高でした。日本のために動こうと陸海軍とも協力していきますが、彼らも私利私欲のために動いているとなって手を切ったりして。いまいちこの血盟団事件の展開が知識として入っていないので、小沼正が暗殺事件を起こすまでが伝わりにくく見せ場である暗殺事件を行うところとかそこまで長いわりには唐突に事件を起こしているように見えて結構退屈でした。
その後の高倉健さんの永田鉄山暗殺と226事件とかも蛇足に感じてしまって、特に鶴田浩二さん演じる磯部浅一の訴えとかも226事件の青年将校の背景がこの映画だけではわからないのでこれまた唐突で何でそんな訴えを今しているのだろう? と伝わりにくかったです。
変な構成の映画で面白いですが、それが成功しているのかは微妙に感じる1本でした。
☆☆☆
鑑賞日:2011/02/20 DVD 2021/03/12 WOWOW
| 監督 | 中島貞夫 |
|---|---|
| 脚色 | 笠原和夫 |
| 中島貞夫 | |
| 原作 | 鈴木正 |
| 出演 | 若山富三郎 |
|---|---|
| 那須伸太朗 | |
| 茂山高一 | |
| 堀正夫 | |
| 土橋勇 | |
| 疋田泰盛 | |
| 唐十郎 | |
| 藤本秀夫 | |
| 友金敏雄 | |
| 吉田輝雄 | |
| 矢奈木邦二郎 | |
| 千葉敏郎 | |
| 菅原文太 | |
| 志摩靖彦 | |
| 高橋長英 | |
| 土方巽 | |
| 千葉真一 | |
| 片岡千恵蔵 | |
| 高津住男 | |
| 八尋洋 | |
| 青山宏 | |
| 山下義明 | |
| 加藤匡志 | |
| 高橋昌也 | |
| 波多野博 | |
| 三益愛子 | |
| 小池朝雄 | |
| 桜町弘子 | |
| 藤純子 | |
| 広瀬義宣 | |
| 榊浩子 | |
| 木山佳 | |
| 中村錦司 | |
| 北川恭子 | |
| 南都雄二 | |
| 加村赳雄 | |
| 田中春男 | |
| 西田良 | |
| 平沢彰 | |
| 白川浩三郎 | |
| 汐路章 | |
| 香月涼二 | |
| 東山明美 | |
| 賀川雪絵 | |
| 市川裕二 | |
| 岡島艶子 | |
| 村井国夫 | |
| 田宮二郎 | |
| 林彰太郎 | |
| 近藤正臣 | |
| 原田清人 | |
| 嶋田景一郎 | |
| 賀川嘉三 | |
| 砂塚秀夫 | |
| 鶴田浩二 | |
| 里見浩太朗 | |
| 神田隆 | |
| 高倉健 | |
| 芥川比呂志 |


