●こんなお話
香港のクリスマスの夜に発電所の近くで起こった火災きっかけで大停電やら大火災が起こって、消防士たちの戦いの話。
●感想
物語の中盤で突然発生する大規模な停電。ネオンの消えた香港の街が次第に暗闇に包まれていくビジュアルがとても印象的でした。そこから一気にテンションが上がり、救出活動に奮闘する消防士たちの姿が描かれていきます。
特に閉じ込められた消防士たちが、煙に包まれた危険地帯をどう突破していくのかというサバイバル的な展開は見応えがあり、脱出劇としての緊張感と迫力ある映像がしっかりと噛み合っていて楽しめました。
ただ、キャラクターの描き方には物足りなさも残ったり。冒頭の火災事故で関係がこじれた3人の同期消防士たちが、時を経て再会し、それぞれ違う立場で再び同じ現場に立つ。設定としては面白いのに、感情の衝突が序盤から激しすぎて関係性が伝わる前に話が動き出してしまう。閉じ込められた状況を通じて関係性が再構築されていくはずなのに、その過程がいまひとつ感じ取りづらかったです。
さらに、画面が暗くヘルメットをかぶっていることもあって、誰が誰か分かりづらいシーンも多く、感情移入しにくい要因になっていたように思いました。定年間近の“伝説の消防士”や大陸から来たベテラン消防士など、興味深いキャラクターも登場しますが、思ったほど活躍の場面がなく、回想も多めでテンポが鈍る部分もあったり。
とはいえ、火災現場で命を懸ける男たちの熱さはしっかり伝わってきますし、漢と書いて“おとこ”と読むような濃厚な熱量に満ちた展開は、まさに香港映画の真骨頂。友情出演のジャッキー・チェンが登場する場面が最も盛り上がるシーンであり、それだけでも見る価値のある熱血災害アクション映画でした。
☆☆☆
鑑賞日: 2015/02/09 Blu-ray
監督 | デレク・クォック |
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脚本 | デレク・クォック |
出演 | ニコラス・ツェー |
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ショーン・ユー | |
サイモン・ヤム | |
アンディ・オン | |
フー・ジュン | |
リウ・カイチー | |
ジャッキー・チェン |