映画【あん】感想(ネタバレ)

Sweet Bean
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●こんなお話

 どら焼きやを営む男のもとに、ある日、老婆がやってきて働かせてほしいとやってきてどら焼き繁盛するけど。主人公の男性や老婆にもある秘密があって…。しだいに差別問題とか描いてく話。

●感想

 序盤はどら焼きに何の愛情もない男がいて、そこに女性がやってきて、バイトをしたいと頼むけど。老人なので断る。けど彼女が持ってきたあんこが美味しいってんで、働いてもらうことにする。
 ここから、あんこマスターが労力をかけてあんを作っていく過程が描かれて、それを学ぶ主人公。という構図が単純にエンタメとして面白かったです。導師的な人がいて、その人の教えのもと成長していくという雛形。樹木希林さんの飄々としたお芝居も安定のお芝居でした。

 そして樹木希林さんの秘密が明らかになったり、永瀬正敏さんが甘党でもないのになぜどら焼き屋をやっているのかが明らかにされていきます。

 ハンセン病のエピソードが出てきたりして日本の差別問題が描かれたり、樹木希林さんを守れずに涙する永瀬正敏さんとか感動しちゃうし。亡き人から残された人に手紙を残すなんて絶対泣きそうになってしまうという飛び道具な設定がズルかったりしました。

 けどハンセン病のエピソードやどら焼き屋に通う中学生だったりが出てきますが、どれもがさらりとした感じでイマイチ乗り切れなかったです。
 中学生のお母さんが出てきたり、彼女が片思いする先輩が出てきたりしてもそれきりだし。主人公のお世話になった奥さんが出てきて、その人はただ嫌味を言うだけのキャラクターで何の答えもなかったり、彼女が甥っ子を連れてきてお店を無茶苦茶にするのも、それがどうなったのか描かれなかったりして掘り下げ不足だった気がしてしまう作品でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2015/06/16 シネスイッチ銀座

監督河瀨直美 
脚本河瀨直美 
原作ドリアン助川
出演樹木希林 
永瀬正敏 
市原悦子 
内田伽羅 
浅田美代子 
水野美紀 

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