映画【アナコンダ3】感想(ネタバレ):製薬会社の陰謀とハンターたち

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●こんなお話

 遺伝子操作された狂暴アナコンダがハンターたちを襲う話。

●感想

 製薬会社ヴォースト社は、不老不死の研究を進めるために巨大アナコンダを実験体として飼育していた。遺伝子操作によって強化された2体のアナコンダは急速に成長し、知能も攻撃性も高まっていく。ある日、実験中に2体が施設から脱走し、職員や警備員たちが次々と襲われて研究所は壊滅的な被害を受ける。事態を重く見た社長は、元特殊部隊員のハミッシュをリーダーとする傭兵チームを雇い、博士アマンダと共に捕獲作戦を展開することになる。

 武装を整えて山中へと入ったハミッシュたちだったが、巨大化したアナコンダは罠やセンサーを軽々と突破し、ハンターたちを返り討ちにしていく。メンバーは一人また一人と飲み込まれ、部隊は壊滅状態に追い込まれる。アマンダは、アナコンダがブラッド・オーキッドの影響で妊娠している可能性を指摘し、卵を産む前に駆除しなければならないと警告する。仲間たちが犠牲になる中で、ついに2体のうち1体がすでに妊娠していることが判明し、危機感はさらに高まっていく。

 残された少数の仲間とアマンダは廃墟に追い込まれ、巨大アナコンダと決戦に挑む。爆薬を用いた自己犠牲によって1体を倒すことに成功するものの、もう1体は生き延びて逃走する。時限爆弾で仕留める作戦を立てるが、ハミッシュが金に目がくらみ裏切ろうとする。しかしアマンダが阻止し、最終的にハミッシュもろとも爆発で葬り去ることになる。だが物語はそこで終わらず、実はヴォースト社が裏でアナコンダを軍事利用や医療資源として確保しようと画策しており、最後には赤ん坊のアナコンダを手中に収めて物語は終わりを迎える。

 アクション映画として観ると、やはり低予算特有の弱点が目立ちました。銃撃戦ではカメラが顔のアップばかりで、誰がどこで撃っているのか位置関係が把握しにくく、迫力を感じにくい演出になっていたのは残念です。巨大アナコンダが登場する場面も、CGがゲームのような質感で恐怖よりも愛嬌が勝ってしまい、モンスターとしての恐ろしさはあまり感じませんでした。

 物語の枠組みもジャンル映画の定番をなぞっているだけで、悪徳経営者に荒っぽい傭兵たち、気弱な研究者というお決まりのキャラクターたちが並ぶ構成でした。そのため彼らがどうなろうと感情的な関心が持ちにくく、ただ消費されていく存在にとどまっていたように思います。

 アナコンダに襲われるシーンも、尻尾で突き刺すか丸のみするかの二択で、バリエーションに乏しかったです。シリーズ第1作のジョン・ヴォイトの強烈な退場シーンのような印象的な描写がなかったのは惜しいところでした。

 それでも、巨大生物映画としての王道を押さえた一本であり、安心して楽しむことはできる作品だったと思います。

☆☆

鑑賞日: 2009/06/10 DVD 2020/03/29 WOWOW 2025/09/21 U-NEXT

監督ドン・E・ファンルロイ 
製作アリソン・セメンサ 
出演デヴィッド・ハッセルホフ 
クリスタル・アレン 
ジョン・リス・デイヴィス 
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