映画【アミスタッド】感想(ネタバレ):自由の意味とアメリカ独立の精神とは?

Amistad
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●こんなお話

 奴隷船の反乱で捕まった黒人奴隷の所有権を巡って裁判が起こる話。

●感想

 奴隷として連れてこられた人々が、船内で反乱を起こしてスペイン人を殺し、自分たちの故郷アフリカに帰ろうとする。だが船はアメリカに向かっていて、最終的に彼らは捕まってしまう。

 奴隷たちの所有権をめぐって、スペイン女王、奴隷商人、アメリカ海軍などがそれぞれ自分たちのものだと主張し始め、状況は複雑になっていく。奴隷解放運動をしている活動家や新聞記者が、かつての大統領に弁護を依頼するが断られ、若い弁護士が裁判を引き受けることになる。

 裁判では、奴隷たちがアフリカで生まれたのか、それともバハマなどで生まれたのかが争点となる。アフリカ出身であれば違法な奴隷とされ、解放の対象になるため、彼らは証拠を探すことに。奴隷船からその証拠となる書類が発見され、裁判では奴隷たちの解放が認められ、彼らや支援者たちは歓喜する。

 しかし、再選を目指す大統領が南部の上院議員の圧力を受け、「このままでは内戦になりかねない」と判断。最高裁へと裁判が持ち込まれることになり、奴隷たちは勝利を喜んだのもつかの間、再び裁かれることに怒りを覚える。

 再度、元大統領に弁護を頼み込み、今回は受け入れられる。元大統領は奴隷たちと面談し、最高裁でアメリカ独立宣言の理念をもとに熱弁。これにより最高裁でも勝訴となり、奴隷たちは自由を得てアフリカへ帰還しておしまい。

 アメリカの建国理念や、人権とは何かという深いテーマに真正面から取り組んでいて、非常に勉強になる内容でした。俳優たちの演技も見事で、長台詞も退屈せずに聞ける力強い演出が光っていたと思います。バイオレンス描写も生々しく、奴隷たちがどんな環境で運ばれていたかを知るには辛いが重要な場面も多かったです。

 英語が話せない奴隷たちが、聖書の挿絵からキリストの奇跡を理解し、そこに希望を見出していく描写はとても印象的。言葉が通じなくても、深く物事を理解する人間の力に感動しました。

☆☆☆

鑑賞日:2024/02/25 WOWOW

監督スティーヴン・スピルバーグ 
脚本デイヴィッド・H・フランゾーニ 
出演モーガン・フリーマン 
ナイジェル・ホーソーン 
アンソニー・ホプキンス 
ジャイモン・ハンスゥ 
マシュー・マコノヒー 
デイヴィッド・ペイマー 
ピート・ポスルスウェイト 
ステラン・スカルスゲールド 
アンナ・パキン 
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