映画【アヒルと鴨のコインロッカー】感想(ネタバレ)

ahirutokamo
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●こんなお話

 一人暮らしのアパートに引っ越してきた大学生が隣人の男から本屋で広辞苑を強奪することをもちかけられて、彼と彼の友だちの女性とブータン人の話を聞くうちにある悲劇が浮かび上がってきて…な話。

●感想

 ボブ・ディランの【風に吹かれて】を口ずさんでたら目の前に嬉しそうにしている瑛太さん演じる男が現れる。この出会いから何故か本屋襲撃の計画に付き合わされて……という不思議な展開を見せますが、そのすべてが伏線になっていて。後半に実はこうでした。と視点の違いで面白さを見せていくもので、そうだったのねと驚ける映画で面白かったです。
 瑛太さん演じる男が回想をして結構な割合で描かれてそちらは白黒で描かれる。そしてある2年前の出来事と現在の出来事が全てリンクしているという。
 しかもその傷は現在進行形で癒されることなく傷ついたまま。事件そのものは悲劇であるけど、伊坂作品らしい不思議な台詞まわりやユーモアでそれが包まれていると不思議と悲壮感がないです。

 ちょっとタイトルの「アヒルと鴨のコインロッカー」に結び付けるのかなり強引なんではなかろうか? とか。ブータン人日本語の発音いきなりネイティブになりすぎでない? とか。ボブ・ディランをよく知らないとそんなに神様な感じがよくわからないです。ヒロインが命を懸けてまで車の前に飛び出る動機って何だろう? とか。警察があまりに無能すぎる、とか。河崎は何でHIVに感染したんだろうか? そういう所はいっさい描いてない。ただ死ぬためのの記号でしかないのが残念でした。
 ただ結局はブータン人と日本人女性の友情みたいなものに動物虐待を組み合わせてるだけで、主人公は単純に勘違いというか間違いで勝手に紛れてるだけなような気もしますが、構成の妙で見せて同じ回想を違う感覚で見せる映画で面白かったです。

☆☆☆

鑑賞日:2009/03/12 DVD

監督中村義洋 
原作伊坂幸太郎 
出演濱田岳 
瑛太 
関めぐみ 
田村圭生 
東真彌 
岡田将生 
眞島秀和 
野村恵里 
平田薫 
キムラ緑子 
なぎら健壱 
猫田直 
レナ・ラニ・クンドウ 
大塚寧々 
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