映画【A2】感想(ネタバレ)

A2
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●こんなお話

 前作から3年、オウムの信者たちが引っ越した先での地元住民との排斥運動、交流などを追いかけたドキュメンタリー。

●感想

 「オウムは出ていけ」と隣接する施設で監視する住民たちが若い信者たちと笑顔で交流しているのとかが新鮮な映像でした。オウム立ち退きの現場が地域住民の憩いの場になっちゃっているのが皮肉であり、この映画のメインであるマスコミや警察は平気でうそをつくというのをあぶりだしていました。

 幹部の上祐史浩に会わせろとやってきますが、神奈川県警に阻止されて怒鳴って怖いと思ってみていると、その後のデモ行進で「単に出て行けといって出ていったらそこでも問題が起こる。そうではなくてちゃんと向き合って問題解決しよう」と強面のおじさんたちが正論を言っていました。けれどもデモ行進も報道ではただ「オウム出ていけ」と報道されて、これではオウム側に誤解されてしまうとここでもマスコミの報道のあり方について出てきます。

 学生時代の同級生がかたや信者、かたや記者となって話をするのも印象的で「ダメだ、やっぱりわからない」とお互いの境遇について語らうのもよかったです。

 ただやはり、監禁暴行事件として扱われた事件を当事者が「あれは暴行ではなく自殺未遂を止めただけ」と現場で話したりしているのは果たして真実はどうなのかと思ってしまったり、荒木広報部長ですら答えをはっきりと言わなかったり、オウム真理教に対して懐疑の視線を見てしまう自分もいました。あとは単純に揺れるカメラが多いので画面酔いしてしまいそうになる映像でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2021/01/08 DVD

監督森達也 
製作安岡卓治 
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