映画【キャプテンハーロック】感想(ネタバレ):人類の希望は地球にある?

space-pirate-captain-harlock
スポンサーリンク

●こんなお話

 地球連邦に反乱を起こした主人公と暗殺者の戦いの話。

●感想

 人口爆発で地球を放棄した人類が、再び地球を巡って戦争を起こす——そんな遠い未来の世界。宇宙海賊キャプテン・ハーロックのもとに、主人公が新人乗組員として潜入するところから物語が始まる。

 任務はハーロックを捕らえること。しかし、アルカディア号での生活や、海賊仲間たちの信念に触れ、少しずつその考えに共鳴していく。自身の兄との確執、女性を巡る愛憎、そして過去の葛藤を回想しながら、主人公は迷いの中で行動する。そしてついにはハーロックを裏切り、捕らえる選択をする。

 だが、崩壊したはずの地球に咲いた一輪の花を見つけたことが転機となる。地球にまだ希望があると信じた主人公は、処刑寸前のハーロックたちを救出。再び戦いに身を投じ、宇宙を覆う無知と無関心にメッセージを送ることでおしまい。

 フルCGで描かれる艦隊戦や宇宙の描写は美麗ですが、すでにハリウッド映画で何度も見てきたような既視感が拭えず、アクション映画としての新鮮さには欠けていました。何よりもストーリーの焦点がぼやけていて、誰を対象にしているのかがよくわからない展開に困惑してしまいました。

 ハーロックという伝説的な海賊を描きながらも、その存在感が台詞の重さに押しつぶされてしまっている印象。登場人物たちは自分の気持ちや背景を長々と説明し、場面が動かないまま物語が続いていきます。特に主人公が「地球を救う」というテーマを何度も繰り返しながら、兄との因縁や恋愛感情で物語がこじれていく流れは、世界観の壮大さとは裏腹に非常に狭く感じました。

 シーンごとの芝居も長く、テンポが悪いため、映像の美しさとは裏腹に物語は鈍重な印象。ハーロックや仲間たちの目的も台詞に頼りすぎていて、物語の核がぼやけてしまっていたのが残念でした。もっとアクションで見せてくれれば、熱量のある映画になったかもしれないです。最終的にはキャラクターたちが自分の悩みや痛みを語り続けるのを、ただ見つめる映画になってしまった印象でした。

鑑賞日: 2013/09/08 TOHOシネマズ府中 2024/03/23 WOWOW

監督荒牧伸志 
脚本福井晴敏 
竹内清人 
脚色福井晴敏 
原作総設定松本零士 
出演(声)小栗旬 
三浦春馬 
蒼井優 
古田新太 
福田彩乃 
森川智之 
坂本真綾 
沢城みゆき 
小林清志 
大塚周夫 
タイトルとURLをコピーしました