●こんなお話
自我があるゾンビが人間の女の子に恋をして好き好きになっていく話。
●感想
ゾンビ映画というより顔色の悪いイケメンさんとお姉さんのラブストーリーで、アメリカのティーンたちが大好きそうな映画でゾンビと人間の恋というのを気軽に見せるというのは成功していると思いました。
そしてゾンビが感情を持ち始めていく過程というのもあまり見たことがないもので面白く見ることができました。ゾンビたちが人間に戻っていくのを夕日でいい感じの表情と音楽で映せば、それなりに良い感じに見えるんだなと勉強になりました。
けれども、ゾンビという生ける屍なのかどうなのかという部分で。ティーン向けのライトな映画なので仕方ないですが、ほとんどカニバル描写ないですし。ゾンビといってもただ顔色が悪いだけにしか見えないです。
そもそも人間の脳を食べるとその人の記憶を体験できるという設定ですが、ヒロインの彼氏を主人公食べちゃうという。ヒロインは彼氏の事忘れて、イケメンゾンビの主人公とイチャイチャしてるという。主人公が「実は……」と話すと「何となくわかってた」とそれで終わりかい! という展開。
ボクだったら好きな人を殺されたら、そう簡単には許せないと思うし。彼氏の気持ちはどうでもいいのかという雑さが許せなかったです。
だいたい人間の敵として育てられたヒロインは簡単に主人公に心許しすぎだと思うし、そんな冷めた気持ちのまま、2人のイチャイチャのモンタージュが始まっていくので、かなり退屈な映画でした。
ゾンビと人間と対立した世界という設定もよくわからなくて、ゾンビの侵入を許さない壁があるのに。主人公は簡単に入れちゃったりするのもどういうことなんだろう。
更にガイコツという、めっちゃダッシュで襲ってくる怖いクリーチャーが出てきますが。クライマックスはこれとの戦いになるのも安易で見せ場としても面白くもなんともなかったです。
そしてあるエピローグでガイコツの結末。これもゾンビはよくてガイコツはダメという差別も許せない。
そもそもゾンビが普通に喋ってる時点でどうなの? と思ってしまう保守的な考えだとこの映画の世界に入り込めなかったです。会話しちゃってるし。と。
とはいえあんまり突っ込んではいけなくて、目の前の出来事だけを気軽に楽しんで見る映画でティーンは楽しめる映画でよかったと思います。
そして、絶対、彼女のお父さんがジョン・マルコビッチだったら怖すぎるよなと思いながら見る95分でした。
☆☆☆
鑑賞日: 2013/09/22 TOHOシネマズ南大沢
監督 | ジョナサン・レヴィン |
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脚本 | ジョナサン・レヴィン |
原作 | アイザック・マリオン |
出演 | ニコラス・ホルト |
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テリーサ・パーマー | |
ジョン・マルコヴィッチ | |
ロブ・コードリー | |
デイヴ・フランコ | |
アナリー・ティプトン |