●こんなお話
美男子が新選組に入隊してきて、男たちワサワサする話。
詳細ネタバレあらすじ
1865年(慶応元年)夏、京都。新選組では新隊士を選ぶための試合が行われ、田代彪蔵と加納惣三郎が入隊する。加納は入隊して間もなく、局中法度を破った隊士の処刑を近藤勇から命じられる。加納は命令に従って隊士を斬る。
加納は前髪を残したまま隊に加わっている。土方歳三から髷を結わない理由を尋ねられると、願をかけているためだと答える。近藤は加納を小姓にしようと考えるが、土方は加納の扱いについて近藤に意見する。
その後、加納と田代の関係が隊内で噂になる。加納は田代だけでなく、隊士の湯沢藤次郎とも関係を持つ。加納をめぐって隊士たちの間に関係が生じるなか、湯沢が殺害される。監察の山崎烝が事件を調べるが、犯人は判明しない。
近藤と土方は、加納を遊廓へ連れて行き、女と関係を持たせるよう山崎に命じる。山崎は加納を遊廓へ誘うが、加納は応じない。その後、加納は自分から山崎に遊廓へ連れて行くよう頼む。山崎は加納を遊廓へ連れて行き、遊女の錦木太夫に会わせる。しかし、加納は錦木太夫と関係を持たず、遊廓を出る。
山崎が夜道で何者かに襲われる。襲撃の現場には田代の小柄が残されていた。近藤は田代が山崎を襲ったと判断し、湯沢の殺害にも田代が関わったと考える。そして加納に田代を始末するよう命じる。土方と沖田総司が介添人を務める。
加納と田代は夜の鴨川の四条中州で対決する。土方と沖田が立ち会うなか、二人は刀を交える。戦いの途中、加納が田代に何かを話しかける。田代は動きを止め、加納が田代を斬る。田代はその場に倒れる。
田代を始末した後、土方と沖田は中州を離れる。途中で沖田が忘れ物をしたと言い、ひとりで中州へ戻る。土方は沖田を見送る。その後、加納と沖田が斬り合う音が聞こえる。土方はその場に残り、桜の木を刀で斬り倒しておしまい。
●感想
衆道をモチーフにしていますが、物語の中心にあるのは新選組の隊内で起こる出来事で、剣術や隊士同士の関係、規律をめぐるやり取りが続く本格的な時代劇として楽しめました。黒を基調とした新選組の隊服も印象に残ります。
美貌の加納をめぐって田代や湯沢との関係が生まれ、その後に湯沢の殺害が起こります。さらに、山崎烝が加納を遊廓へ連れて行こうとする場面もあり、新選組の隊士たちが加納をどう扱うのかという出来事が積み重なっていきます。
井上源三郎が浪人から剣の腕を馬鹿にされたことをきっかけにした出来事や、その犯人をめぐる話など、新選組を題材にしたエピソードが次々と描かれるため、新選組に興味がある人ほど細かなやり取りを楽しめる作品だと思いました。
また、加納をめぐって対応に苦慮する土方歳三の姿も印象的でした。新選組の規律を守る立場にある土方が、隊内に入ってきた若い加納の存在によって次々と対応を迫られていきます。加納を遊廓へ連れて行くという策まで考える展開も含め、普段の新選組ものとは少し違った人物関係を見ることができました。
一方で、新選組にそれほど興味がない状態で見ると、登場人物の関係や、それぞれの隊士が置かれている立場を把握するまでに少し時間がかかる作品だと思います。新選組の隊士が多く登場するうえ、それぞれの人物について詳しい説明が続くわけではないため、新選組の知識がない場合は物語の流れを追いにくく感じる部分もあります。
また、実際の新選組の隊士たちを演じる俳優陣の年齢については、史実上の隊士たちの年齢を知っていると気になるところでした。実在した隊士たちの年齢と画面に登場する人物の印象を比較すると、配役について考えてしまう場面もあります。
衆道を扱った作品ですが、それだけに限定された物語ではなく、新選組の隊内で起こる事件や隊士同士の関係を描いた時代劇として見ることができました。大島渚監督が新選組を題材に、加納惣三郎という若い隊士を中心として物語を組み立てている点も特徴的な1作でした。
☆☆☆
鑑賞日: 2015/02/27 Hulu 2026/08/29 U-NEXT
| 監督 | 大島渚 |
|---|---|
| 脚色 | 大島渚 |
| 原作 | 司馬遼太郎 |
| 出演 | ビートたけし |
|---|---|
| 松田龍平 | |
| 武田真治 | |
| 浅野忠信 | |
| 崔洋一 | |
| 坂上二郎 | |
| トミーズ雅 | |
| 的場浩司 | |
| 伊武雅刀 | |
| 田口トモロヲ |


