●こんなお話
破天荒な刑事さんに振り回されるエリート刑事さんの話。
●感想
天地人の説明のナレーションに写真が挿入されて赤いテロップが流れてという東映の実録ヤクザ映画のようなスタートで期待高まるツカミでした。
捜査のためなら拷問や放火など何でもやっちゃう先輩刑事と彼とバディとなる若手エリート刑事が悩みながら捜査するという「トレーニングデイ」ものとしての構成でした。ただ話自体はヤクザの揉め事を焚きつけるわけではなく、抗争が起こらないように行ったり来たりするものなので、【仁義なき戦い】のヤクザの抗争や【県警対組織暴力】のヤクザみたいな刑事さんの活躍はあまりなくて期待はずれだった映画でした。
無茶苦茶な行動をする役所さん演じる刑事さんの行動は面白くて、彼がどうやってヤクザの抗争をひっかきまわるのかというのは見ていて面白いですが、ヤクザ同士の抗争はあまりなくてあっさりと抗争が起こっては話をしに行ったり捜査をしたりする先輩刑事、あいまに若手刑事の悩みや恋愛的なことが挿入されますが、そこらへんの葛藤に面白さを感じることができないため、ラストの若手刑事の決心とかもよくわからなかったです。
先輩刑事のハチャメチャな行動にそれについていけない若手刑事という構図自体に新鮮さはなく、しかもその行動にも新鮮さがなくステレオタイプのため面白さがないように感じました。ヤクザたちもただの直情型の行動しかとらないため、頭が悪いようにしか見えなかったです。それでいてそんなに構想もないままいなくなっていってしまう印象でした。竹野内豊さんとか何のキャラクターだったのか謎でした。記者役の中村獅童さんとかもカメオ出演に近くてガッカリでした。敵対するヤクザを行ったり来たりして潰し合わせる【用心棒】的な面白さもなく、ハチャメチャな先輩刑事の思いを後半に知って心が変わるという展開も真木よう子さん演じるクラブのママがいきなり大切な日記を渡したり、15年前の事件の真相語り始めたりで真相がわかる面白さみたいなのもないため、いつになったら面白くなるのだろうと思っていたらそのまま終わってしまいました。
悲しいシーンでは悲しい音楽が流れてコミカルなシーンではコミカルな音楽が流れてという演出も悪い日本映画の特徴のような説明的な演出なのもいただけなかったです。
この作品きっかけで【仁義なき戦い】や【県警対組織暴力】を見てそちらの面白さを再確認できる映画でした。。
☆☆☆
鑑賞日: 2018/05/13 シネマサンシャイン平和島 2021/08/02 NETFLIX
監督 | 白石和彌 |
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脚本 | 池上純哉 |
原作 | 柚月裕子 |
出演 | 役所広司 |
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松坂桃李 | |
真木よう子 | |
滝藤賢一 | |
音尾琢真 | |
中村獅童 | |
矢島健一 | |
田口トモロヲ | |
ピエール瀧 | |
石橋蓮司 | |
江口洋介 | |
竹野内豊 |
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