映画【問題のない私たち】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　中学のイジメ問題があっち行ったりこっち行ったりする話。

●感想

　主人公がクラスのリーダーでいじめっ子で、冒頭から気に入らない子をプールに落としたりして、なかなかの壮絶ないじめっぷりです。
　ところが立場が変わるのは転校生がやってきて彼女が人気をとってしまって、今度は逆にクラスからいじめられるようになる。
　
　女子だけの中学って誇張やわかりやすさの表現としての描かれ方ではあれ、こんないじめがあるのかと見ていて辛いです。人間が集団になると当然、軋轢が生まれてしかも意識が共有されてしまうといじめが発生すると思いますが。この映画ではいじめについて一定の解決法を出していると思いますが、ボクだったら絶対くじけてしまいそうないじめで、この主人公はいじめに立ち向かう強さがあります。その強さがあればいいですが、全員が全員その強さはないと思うので逃げてもいいという解決法を描いてもよかったかなとも思います。そして、かなり強引で悪いことした人には悪いことがはね返ってくるという因果応報というのも理想論かなとも思います。

　前半の生徒同士のいじめと後半は先生によるいじめと反撃。後半の先生に対する解決法は、ちょっと無茶苦茶な気がしました。万引きした先生がその後の謝罪でおしまいでは納得できないです。それと沢尻エリカさんはどうしてあんなに悪い奴なのかとかも描いてほしかったです。
　それにいくらいじめが解決したからといって、すべてが終わってからみんな笑顔で元通りってのもちょっと無理があるような気がしました。とはいえ集団心理の恐ろしさをわかりやすく見せてくれる映画でよかったです。

☆☆☆

鑑賞日: 2013/05/12　Hulu