●こんなお話
かつてヒーロー映画でスターだった俳優が演劇界で再起を図ろうとする話。
●感想
ワンカット長回しに見える映像が凄くて、120分見終わるとどっと疲れるというビジュアルでした。
キャストも皮肉いっぱいで【バットマン】をやっていたマイケル・キートン。【インクレティブル・ハルク】を降板したエドワード・ノートン。打ち切りになった【アメイジング・スパイダーマン】のヒロインのエマ・ストーン。
そして物語の冒頭ではスーパーヒーローものが飽和状態という皮肉で、舞台を降板した役者の代役に【ハンガーゲーム】を撮影中のウディ・ハレルソンはダメ。【X-メン】を撮影中のマイケル・ファスベンダーはダメ。【アベンジャーズ】を撮影中のジェレミー・レナーはダメ。【アイアンマン】のロバート・ダウニーJrに嫉妬しながら、代役に決まったのが【ハルク】を降板したエドワード・ノートン。
評価のいい1作目の【バットマン】に出ているのに評価の悪い【バットマン】4作目に出ていたジョージ・クルーニーに対する台詞だったり。
そこから舞台を舞台に映画界と演劇界の確執が描かれていきます。
映画俳優である主人公は演劇力を磨こうとするけど認められず。舞台俳優は演技力は認められてるけど映画界の高額なギャラにあこがれている。この2人のぶつかり合いがなんとも面白おかしかったです。
舞台俳優は映画俳優が作ったお芝居をやろうとせず、飲酒したり女優を襲おうとしたり無茶苦茶やっちゃう。けど舞台を降りるとインポになって女性に対しても弱気になる。
主人公は舞台で認められれば映画界に復帰できるだろう。と思って何とか舞台を成功させようとするけど、失敗続きで上手くいかない。評論家からも酷評され娘からも「忘れられた存在」と断言される。
一服のために外に出たら追い出されてブリーフ一丁でタイムズスクエアを歩いたら、それでSNSで話題になって、更に舞台上で鼻を撃ちぬいたら舞台も絶賛される。
忘れ去られたと思っていたら意外に忘れていないことに気づいて、そこから吹っ切れて浮遊感に包まれる。劇中ずっとバートマンに囁かれてけど、そのバードマンから自分がどうされたいのかと気づいて、バートマンが消えて、再び空を舞うバードマンとなったラストはなかなか気持ちよかったです。
120分延々とおじさんたちが愚痴ってるだけの映画でわかりやすい映画ではないですが、ドラムがカッコいい映画でよかったです。
☆☆☆
鑑賞日: 2015/04/13 TOHOシネマズ南大沢
監督 | アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ |
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脚本 | アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ |
ニコラス・ヒアコボーネ | |
アレクサンダー・ディネラリス・Jr. | |
アルマンド・ボー |
出演 | マイケル・キートン |
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ザック・ガリフィアナキス | |
エドワード・ノートン | |
アンドレア・ライズボロー | |
エイミー・ライアン | |
エマ・ストーン | |
ナオミ・ワッツ |
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