●こんなお話
バイオロイドっつうアンドロイドがいっぱいの世界で兵隊さんたちの戦いの話。
●感想
廃墟となった都市で、主人公はサイボーグとの激しい戦闘の末に倒れてしまう。気を失った主人公は、高度な文明を保つ都市「オリュンポス」に運ばれ、治療を受けることに。そこで主人公に寄り添うのが、ヒトミという女性。穏やかで優しい彼女のアテンドによって、主人公は少しずつ街のことを知っていく。
そんな中、かつての恋人がサイボーグとして姿を現す。恋人の変わり果てた姿に戸惑いながらも、共に行動するうちに再び心を通わせていく。都市の説明として、人口の半数をバイオロイドという人造人間が占めていること、そして街全体がある種の人工秩序で保たれていることが語られる。
その最中、何者かに尾行され襲撃されるが、これを撃退。やがて、主人公は都市の支配層である老人たちと接触し、自分の父親についての話を聞かされる。
一方、バイオロイドに反対する組織が都市を襲撃。市内各地で戦闘が起こり、議会ではバイオロイドの存在を巡る賛否が激しく対立する。老人たちと行政官は、主人公の母親が隠し持っている「アップルシード」という重要なデータを探すため、研究施設にあるペンダントを手に入れようとするが、そこでも襲撃を受け、主人公と恋人は負傷しながら逃げ延びることになる。
支配層の賢者たちが主人公の母親を過去に追い詰めていたことが明らかになり、彼らが巨大ロボットを起動して街を破壊しようとしていることが判明。クライマックスでは、主人公と恋人がその巨大兵器に立ち向かい、街の破壊を阻止する戦いがあっておしまい。
アクションシーンのスピード感やサウンドの格好良さは特筆もので、登場するロボットも熱量が高く、各戦闘シーンはどれも盛り上がりを見せてくれました。
ただし、中盤以降は登場人物の会話中心の展開が続き、長めの説明や設定解説が多く、テンポが落ちてしまう印象でした。特に「バイオロイドとは何か」といった設定が、映像や行動ではなく言葉で語られるため、観る側としては少し置いていかれる感覚に。
また、陰謀が明かされる場面や主人公が裏切りに気づくパートでは、感情の高ぶりよりも長台詞がメインになりがちで、感情移入しづらい構成になっていたと思います。特に海上基地での会話やその後の自己分析のような場面は、勢いよりも言葉の重さが目立ち、やや冗長に感じられました。
それでも、映像表現への挑戦や近未来感を漂わせる都市のビジュアル、そしてSFらしい世界観は見応えがあり。ラストの戦闘で再び盛り上がり、全体として印象に残る一本には仕上がっていたと思いました。
☆☆☆
鑑賞日: 2013/05/10 DVD 2024/06/01 U-NEXT
監督 | 荒牧伸志 |
---|---|
脚本 | 半田はるか |
上代務 | |
原作 | 士郎正宗 |
出演 | 小林愛 |
---|---|
小杉十郎太 | |
松岡由貴 | |
三輪明日美 | |
秋本つばさ |
コメント