●こんなお話
高校生たちがいじめ問題とか盗作問題とか悩みにぶち当たる話。
●感想
冒頭から主人公たちが演劇のようなお芝居で始まり、一応の話の流れはありますが、合間に抽象的なシーンが挿入されるので、誰が何のために動いているのか。というエンタメの骨法をわかりやすく描いている映画ではないので、何を訴えたいのかを読み取るのが大変な映画で、いま誰が何をしているシーンの映画なんだろう? とボケッと見ている身としてはついていくのが大変な120分でした。
主人公は先生に書いていた小説を盗まれて、先生憎し! という感情になって先生に復讐する。という流れがあったり。認知症の祖母との過去があったり、もう1人の主人公はいじめ問題に悩んでいたり過去に剣道でめちゃ強かったり、足をなぜか引きずっていたり。同時進行で話が進んでいって、その1つ1つに抽象的なモノローグが入ったり、スローで印象的なカットが挿入されたり、ちょっとダラダラしすぎているのではないかと思ってしまう作風。
主人公たちが老人介護施設や難病の子どもの施設で働くことになりますが、その流れもよくわからないですが、そこで主人公が難病の子供と仲良くなって、彼の親を探すという行動の動機になるあたりから、最初の暗かったキャラクターからコンドームの使い方に悩んだりして、いきなり明るくっていて1人2役になってしまったのかと考えてしまう戸惑う変貌っぷり。
結局、酷い目に遭った稲垣五郎さんを放っておいて、主人公たちは夕日を見ながら良い感じのことを言って涙を流して関係を修復する。というシーンとかも稲垣さん大丈夫かな? とか余計なことがいちいちノイズになってしまって入り込めない作品でした。実は意外なところで繋がっていました。というキャラクターたちの相関図ですが、それも伏線的な気持ちよさ、あのときそうだったのかという面白さは皆無で、むしろ子どもは何で嘘をついていたのだろう? とかこれもまた繋がりを考えてしまって入り込めないままでした。転校生が途中で印象的に出てくるけど、すぐに退場したと思ったら、クライマックスで橋の上である行動をとるところとかも一体何だったのだろう? とわかりにくかったです。
エンタメ映画ではなく監督さんなのか原作なのかわかりませんが作家性が前面に出ている映画なので、読み取れないほうが悪いのかなと気を使ってしまう120分でした。
☆☆
鑑賞日: 2016/10/10 チネチッタ川崎
監督 | 三島有紀子 |
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脚本 | 松井香奈 |
三島有紀子 | |
原作 | 湊かなえ |
出演 | 本田翼 |
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山本美月 | |
真剣佑 | |
児嶋一哉 | |
菅原大吉 | |
川上麻衣子 | |
銀粉蝶 | |
白川和子 | |
稲垣吾郎 |
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