映画【パーフェクト・ワールド】感想(ネタバレ):逃亡犯と少年の“父と子”のような絆が胸を打つ

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●こんなお話

 逃亡犯と人質の少年の逃避行の話。

●感想

 主人公2人の逃亡劇を見ているうちに、自然と2人を応援してしまうような映画でした。父親のいない少年と、父親になったばかりの逃亡犯。2人の行動は、まるで親子の旅を見ているように感じられます。

 彼らを追いかける警察署長の過去も描かれ、逃亡犯との間にあった出来事を悔やむ気持ちや、犯人逮捕への執念が浮かび上がってくる。署長の背景があることで、単なる追跡劇ではなく、深みのある人間ドラマとして印象に残ります。

 脱獄しながらもどこか飄々とした逃亡犯の姿は魅力的で、「どんな人間でも、誰かにとっては大切な存在になり得る」ということを教えてくれる物語。

 感動的なストーリーではあったが、見終わってから考えるといくつかの疑問も残ります。たとえば、主人公がなぜ父親からのハガキをきっかけにアラスカを目指したのか、もう少し背景が知りたかったり。また、母親がエホバの証人であることによって、少年がどんな制約の中で生活していたのか、その描写も深めてほしかったです。

 少年は目の前で悲惨な出来事を経験しており、将来PTSDに苦しむのではと心配に。暴力をふるう祖父を目の前で殺そうとした場面についても、主人公の過去に何があったのか、もっと掘り下げがあってもよかったように思います。

 さらに、署長と共に行動する女性分析官のキャラクターにはもう少し強さや存在感がほしかったです。全体としてはよくできた映画で、印象に残るシーンも多く、観てよかったと感じました。

☆☆☆☆

鑑賞日: 2017/01/01 NETFLIX

監督クリント・イーストウッド 
脚本ジョン・リー・ハンコック
出演ケヴィン・コスナー 
クリント・イーストウッド 
ローラ・ダーン 

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