●こんなお話
ベトナム戦争中、恐竜が出現した密林に送り込まれた米兵たちが、恐竜と敵兵の両方と戦いながら生き残りを目指す話。
●感想
1968年、ベトナム戦争の最中、密林の奥にある隔絶された渓谷で、米軍グリーンベレーの精鋭部隊「毒ヘビ部隊」が特殊任務中に消息を絶つ。部隊を指揮するジェリコ大佐は、行方不明となった兵士たちの捜索と救出を命じ、ライアン・ベイカー軍曹を隊長とする「ハゲワシ小隊」を現地へ送り込む。ベイカー、ワイズ、無線兵レオン、イーライ、チャーリー、狙撃手キーズ、ローガンらはヘリコプターから密林へ降下し、毒ヘビ部隊が残した痕跡を追い始める。
ところが、現場には通常の戦場では見られない巨大な羽根や奇妙な足跡が残されていた。ベイカーたちは正体の分からない生物に襲われ、銃撃によって撃退するものの、何者に襲われたのか分からないまま捜索を続ける。
一方、この渓谷には米軍だけでなく、ソ連側の兵士たちも入り込んでいた。ソ連軍の特殊部隊は、トルストイ、ニキータ、セルゲイ、アレクサンドルらで構成され、米軍を追跡している。ハゲワシ小隊が洞窟のような場所へ進むと、突然、複数のデイノニクスが襲いかかる。兵士たちは銃を撃ちながら逃げるが、この襲撃によってベイカーとレオンが本隊から離れてしまう。
ベイカーとレオンが密林を進んでいると、今度は巨大なティラノサウルスと遭遇する。二人は追跡をかわすため崖から川へ落ち、何とか生き延びる。その後、二人はソ連の女性科学者ソフィア・ワグナーに救われ、廃棄された研究施設へ運ばれる。
そこでソフィアは、この渓谷に恐竜が存在する理由を説明する。ソ連軍のグリゴリー・ボロディン将軍は、粒子加速器を利用して空間をつなぐ極秘実験を進めていた。実験中にワームホールが発生し、そこから恐竜が現代のベトナムへ入り込んでいたのである。ボロディンはこの技術を軍事利用し、遠隔地へ兵士を瞬間移動させる計画を進めていた。
ソフィアは研究の危険性を知り、ボロディンから逃れていた。ベイカーたちは恐竜の出現が単なる自然現象ではなく、人間による軍事研究が原因だったことを知る。
そのころ、残ったハゲワシ小隊はソ連兵と遭遇し、銃撃戦となる。しかし戦闘の最中に巨大な翼竜ケツァルコアトルスが現れ、米兵とソ連兵の双方を襲撃する。両者は戦闘を中断して恐竜から逃げることになる。
その後、ハゲワシ小隊はベイカー、レオン、ソフィアと合流する。しかし、今度はデイノニクスの群れに襲われる。キーズは恐竜に襲われて重傷を負い手榴弾を使い、迫ってきた恐竜とともに命を落とす。。
ソフィアはベイカーたちに、粒子加速器を破壊しなければならないと訴える。しかしジェリコ大佐は装置の軍事的価値を重視し、破壊を認めない。米軍もまた、この技術を手に入れようとしていた。
ハゲワシ小隊は粒子加速器があるソ連軍施設へ向かう。その途中でもデイノニクスの群れに襲われ、ストーバルは仲間を逃がすために囮となる。彼は恐竜を引きつけ、犠牲となる。
施設へ到着すると、ソ連兵がティラノサウルスの幼体を発見する。兵士たちは幼体を殺してしまい、それによって親のティラノサウルスが施設へ侵入する。巨大なティラノサウルスはソ連兵を次々と襲い、施設内は大混乱となる。
ハゲワシ小隊は粒子加速器の周囲に爆薬を仕掛ける。ベイカーとソフィアはソ連兵のニキータとセルゲイにも協力を求め、施設からの脱出を目指す。
一方、チャーリー・ミラーはベトナム人ゲリラのコン・ニェンと対峙する。二人は施設内で戦い、最終的にミラーは爆薬を起爆することでコン・ニェンとともに命を落とす。その間にソフィアは粒子加速器を停止させる。
しかし、そこへジェリコ大佐率いる米軍の増援部隊が到着する。ジェリコは装置を軍事利用することを諦めていなかった。ところが施設には大量のラプトルが押し寄せ、米軍とソ連軍の兵士たちを次々と襲い始める。
ボロディンも恐竜の襲撃され、ニキータやテイラーも命を落とす。ベイカーは仲間を逃がすため、自ら恐竜の群れの前で囮になる。銃撃で抵抗しながら仲間たちが逃げる時間を稼ぎ、最後は恐竜に襲われて命を落とす。
ソフィアたちは米軍とともに施設から脱出する。その直後、仕掛けられていた爆薬が爆発し、粒子加速器は破壊される。これによって恐竜を現代へ送り込む原因となった装置は失われるが、すでに現代へ入り込んだ恐竜そのものが消えるわけではない。
恐竜たちは密林へと移動しており、ベトナム戦争の戦場には巨大な生物が残されることになる。人間同士の戦争に、時代を超えて現れた恐竜まで加わっていることが描かれておしまい。
1968年のベトナム戦争に恐竜を組み合わせた設定は面白かったです。ベトナムの密林を兵士たちが進み、その先からティラノサウルスやラプトル、翼竜などが現れてくるので、「戦争映画」と「恐竜映画」を同時に楽しめるところは大きな魅力だと思いました。
ただ、個人的には130分という上映時間がかなり長く感じられました。特に序盤は米兵たちの日常的なやり取りや任務の説明が続きますが、登場人物が多いため、誰が誰なのかを把握する前に物語が進んでしまいます。ベイカーを中心に小隊のメンバーが行動していくものの、それぞれの人物を十分に覚えられないまま恐竜との戦闘へ入ってしまうため、途中で人物関係を整理しながら見る必要がありました。
また、ソ連の科学者たちが進めていた研究や粒子加速器についての説明も長く感じました。恐竜がなぜベトナム戦争の時代に存在しているのかを説明するために必要な設定ではありますが、個人的にはもう少しテンポよく進めて、恐竜との戦闘場面を増やしてほしかったところです。
もちろん、恐竜が大量に登場して兵士たちが銃を撃ちまくる場面には、本作ならではの楽しさがあります。戦車や銃器が登場するベトナム戦争映画の雰囲気に、ティラノサウルスやラプトルといった恐竜を組み合わせているので、「ベトナム戦争の密林で兵士が恐竜と戦う」という作品のコンセプトはかなり好みでした。
一方で、映像については少し残念でした。全体的に暗い場面が多く、せっかく恐竜が登場しても姿や動きが見えにくい場面があります。特にクライマックスは雷が光る夜の場面が中心となるため、画面が暗いところに雷の明滅が加わり、恐竜と兵士の戦いをじっくり見るというより、目がチカチカする印象のほうが強く残りました。
恐竜そのものは種類も多く、巨大なティラノサウルスが施設へ突入する場面など、見応えのあるシーンもあります。それだけに、もう少し明るく見やすい画面で恐竜の姿や兵士たちの銃撃戦を見せてくれれば、さらに楽しめたと思います。
戦争映画と恐竜映画を組み合わせた発想は面白く、恐竜が兵士を襲い、兵士たちが機関銃や爆薬で応戦するという組み合わせにも魅力があります。ただ、長めの上映時間、序盤の人物の分かりにくさ、ソ連の科学者による説明場面の長さ、そして暗い映像が重なり、個人的には少し疲れてしまいました。
「ベトナム戦争の兵士たちが恐竜と戦う」というシンプルな面白さをもっと前面に出して、人物描写や科学設定をコンパクトにまとめ、恐竜との戦闘を明るく見やすく描いてくれたら、さらに好みに合う作品になったと思います。恐竜と戦争映画の組み合わせ自体は魅力的なので、そこを期待して観ると、本作の方向性は十分楽しめる作品でした。
☆☆
鑑賞日:2026/08/15 イオンシネマ座間
| 監督 | ルーク・スパーク |
|---|---|
| 脚本 | ルーク・スパーク |
| 原作 | イーサン・ペッタス |
| 出演 | ライアン・クワンテン |
|---|---|
| トリシア・ヘルファー | |
| ニック・ウェクスラー | |
| ジェレミー・ピヴェン |

