●こんなお話
ジェイソンが雷でよみがえってキャンプ場の人たちを殺していく話。
●感想
かつてジェイソン・ボーヒーズを倒したトミー・ジャービスは、事件から年月が経っても恐怖を忘れられずにいた。精神病院を退院したトミーは、過去に決着をつけるため友人アレンを連れてジェイソンの墓へ向かう。彼の目的はジェイソンの遺体を掘り起こし、焼却することで完全に悪夢を終わらせることだった。
雨が降りしきる夜、墓を掘り返した二人は腐敗したジェイソンの遺体を発見する。しかし目の前に横たわる宿敵を見たトミーは冷静さを失い、墓地の鉄柵を引き抜いて何度もジェイソンの胸へ突き刺してしまう。すると嵐の中で落雷が鉄柱へ直撃し、その電流がジェイソンの体へ流れ込む。死体だったはずのジェイソンは突如として蘇り、超人的な力を持つ怪物へと変貌する。
復活したジェイソンはアレンを殺害し、トミーは命からがら逃走する。トミーは警察へ駆け込みジェイソン復活を訴えるが、精神病院に入院していた過去もあり誰にも信じてもらえない。保安官マイク・ギャリスは妄想だと決めつけ、トミーを拘束してしまう。
一方、かつて惨劇の舞台となったクリスタルレイクは、暗い過去のイメージを払拭するためフォレスト・グリーンと改名されていた。さらにキャンプ場も再開され、若い指導員たちや子どもたちを迎える準備が進められていた。
しかしジェイソンは森を徘徊しながら犠牲者を増やしていく。キャンプへ向かう指導員たちを襲い、墓守を殺し、森でサバイバルゲームを楽しんでいた集団を次々と始末する。
保安官の娘ミーガンは、トミーの必死な訴えに次第に耳を傾けるようになる。最初は半信半疑だったが、各地で起きる惨劇を目の当たりにし、やがてトミーに協力することを決意する。
トミーはジェイソンを倒す方法を考え続ける。そしてジェイソンがかつてクリスタルレイクで溺死した少年だったことから、水こそが唯一の弱点ではないかと思い至る。彼はジェイソンを湖底へ封じ込める計画を立てる。
その頃、ジェイソンはキャンプ場へ侵入する。子どもたちが実際に宿泊しているキャンプが舞台となるが、ジェイソンは子どもたちには手を出さず、指導員たちを標的にしていく。キャンプ場は恐怖に包まれ、ようやく保安官たちもジェイソンの手にかかっていく。ミーガンは拘束されていたトミーを助け出し、二人はジェイソンとの決着をつけるため湖へ向かう。
トミーはボートに乗り、湖の中央でジェイソンを挑発する。ジェイソンはトミーへの執着を見せ、ミーガンよりもトミーを優先して追跡する。トミーはあらかじめ用意していた鎖と大岩を使い、ジェイソンを湖底へ沈めようとするが、逆に反撃を受けて自らも湖へ引きずり込まれてしまう。
湖中で意識を失ったトミーを救うため、ミーガンは飛び込んで救助に向かう。ジェイソンはなおも襲いかかるが、ミーガンはボートの船外機プロペラを利用してジェイソンの顔面へ攻撃する。その隙にジェイソンは大岩と鎖によって湖底へ固定され、動きを封じられる。
ミーガンはトミーを岸へ引き上げて心肺蘇生を行い、トミーは息を吹き返す。子どもたちは無事救出され、フォレスト・グリーンに平穏が戻る。
だが、クリスタルレイクの深い湖底には鎖で繋がれたままのジェイソンが沈んでいておしまい。
今作では落雷によって蘇ることで完全に怪物の領域へ踏み込んでいます。ホッケーマスク姿で無言のまま歩き続ける姿は、もはやスラッシャー映画の殺人鬼というよりホラー映画のモンスターそのものでした。
ただ、その一方で殺害描写については意外とあっさりしており、残酷描写を前面に押し出した作品ではありません。犠牲者は次々に増えていくものの、殺し方のバリエーションはそれほど多くなく、淡々と若者たちが退場していく印象でした。そのためゴア描写やショッキングな殺害シーンを期待すると少し物足りなく感じる部分もありました。
また、シリーズで初めて本格的に子どもたちがキャンプ場に登場するのも特徴的です。ジェイソンは大人たちを容赦なく襲う一方で、子どもたちには直接危害を加えません。このあたりはシリーズ独特の暗黙のルールのようなものを感じましたし、作品全体の雰囲気にも少し違った色合いを与えていました。
何より笑ってしまったのは主人公トミーです。ジェイソンを恐れ続けてきた人物なのに、自ら墓を掘り返し、鉄柱を突き刺した結果としてジェイソンを復活させてしまうという展開には「何をやっているんだ」と思わず突っ込みたくなりました。本人は恐怖を終わらせるつもりだったのに、結果的に被害を拡大させる張本人になってしまうのが何とも皮肉です。
全体としてはホラーというよりモンスターパニックやアクション映画に近い作風で、深く考えずにジェイソンが暴れ回る姿を楽しむ作品だと思いました。突出した怖さや意外性はそれほどありませんが、不死身のジェイソン誕生というシリーズの歴史を考えると非常に重要な一本です。後の作品で描かれる超人的なジェイソン像は、まさにこの作品から始まったのだと実感できる映画でした。
☆☆
鑑賞日:2026/06/12 U-NEXT
| 監督 | トム・マクローリン |
|---|---|
| 脚本 | トム・マクローリン |
| 出演 | トム・マシューズ |
|---|---|
| ジェニファー・クック | |
| デイヴィッド・ケーガン |

