●こんなお話
薩摩の家老や将軍の隠密が薩摩へ向かって薩摩藩が挙兵しようとするのを阻止しようとする話。
●感想
江戸時代中期。オランダは最新式の銃器を幕府へ提供する代わりに通商条約の締結を求める。しかし将軍・家重はその条件を拒否する。するとオランダ側は交渉相手を有力外様大名である薩摩藩へ変更すると通告する。
薩摩が強力な新式銃を手に入れれば、幕府と諸藩の均衡は崩れる。事態を重く見た幕府は、表の役職を持たず裏で働く男・錣市兵衛に密命を下す。市兵衛は刀のほか、鎖分銅や小型銃など様々な武器を携えて江戸を発つ。
道中、大井川で川止めに遭うが、そこで幕府の隠密である陽炎と出会う。陽炎は老中・牧野豊後守の配下で、薩摩の動きを探っていた。互いに腹の内を探り合いながらも、目的が一致した二人は行動を共にする。
さらに薩摩藩江戸家老・伊集院右京の配下である曲垣藤九郎と接触する。藤九郎は薩摩側の隠し目付で、市兵衛を警戒するが、その腕前を見て同行を認める。
薩摩領内では、過激派集団「山岳党」が暗躍している。首領・二階堂はオランダの武器を利用し、薩摩の軍事力を飛躍的に高めようと画策する。山岳党の女剣士・茜は陽炎に対抗心を抱き、内部情報を密告する。
その結果、陽炎は捕らえられる。市兵衛は単身で敵の屋敷へ潜入し、門番を斬り伏せて陽炎を救出する。逃走の最中、山岳党の刺客たちが一斉に襲いかかるが、市兵衛は斬り合いを展開し、次々と倒していく。
一方、右京は薩摩と幕府の板挟みに苦しむ。藩主は討幕の意志を固め、挙兵を宣言する。右京は迷いながらも藩主の気持ちを思い、オランダの武器入手に同意する。
市兵衛の動きを阻止するため、海外の刺客が送り込まれる。異国の銃や刃物を使う敵との戦闘が繰り広げられ、市兵衛は一時捕縛される。交渉の場へ連行されそうになるが、隙を突いて脱出する。
その後、右京と対峙する。激しい一騎打ちの末、市兵衛は右京の腹がすでに切られていることに気づく。右京は薩摩とオランダの交渉を混乱させるため、自ら命を絶つ覚悟で動いていた。交渉の場を破壊し、双方を決裂させるのが真意だった。
右京の遺志を継いだ市兵衛は、薩摩沖に入港したオランダ船へ向かう。新式銃の受け渡しと条約調印が目前に迫る中、大使のふりをして船へ潜入する。船内で警備兵と斬り合い、積み込まれた新式銃と火薬に細工を施し、導火線に火をつけて海へ飛び込む。直後、船内で大爆発が起こり、炎が夜の海を赤く染める。オランダとの取引は頓挫し、調印は阻止される。
任務を果たした市兵衛は海岸を歩いておしまい。
若山富三郎の殺陣を存分に堪能できる作品です。刀を振るう一瞬の重みや踏み込みの鋭さが画面越しにも伝わり、対峙する敵が次々と倒れていく様子は実に爽快でした。
鉄砲や異国の刺客が登場し、剣と銃が入り乱れる構図はまるで漫画のような痛快さがあります。和と洋が混ざり合うアクションは独特で、時代劇に異国情緒が加わることで娯楽性が高まっています。
一方で「賞金稼ぎ」という題名から想像するような放浪の賞金首ハンター像は薄く、実際には隠密としての任務が中心です。しかも潜入や謀略よりも正面突破の斬り合いが多いため、物語の面白さはほぼ殺陣に集中しています。その潔さは魅力でもありますが、もう一段階ひねりがあればさらに印象深い作品になったと感じました。
とはいえ、若山富三郎の存在感と豪快な立ち回りを見るだけでも十分価値があり、時代劇アクションとしての満足度は高い一本です。
☆☆☆
鑑賞日:2026/02/26 U-NEXT
| 監督 | 小沢茂弘 |
|---|---|
| 脚本 | 高田宏治 |
| 伊上勝 |
| 出演 | 若山富三郎 |
|---|---|
| 野川由美子 | |
| 真山知子 | |
| 天津敏 | |
| 睦五郎 | |
| 潮健児 | |
| 柳永二郎 | |
| 藤田佳子 | |
| 高橋昌也 | |
| 香川良介 | |
| 藤岡重慶 | |
| 小田部通麿 | |
| 藤本秀夫 | |
| 高並功 | |
| ユセフ・オスマン | |
| 関山耕司 | |
| 汐路章 | |
| フランシス・バルトリオ | |
| 西田良 | |
| 志賀勝 | |
| 春川ますみ | |
| 国一太郎 | |
| 片岡千恵蔵 | |
| 鶴田浩二 |

